平成18年7月21日
「アフリカ:エイズ問題」
森奈津子
UNAIDSの推計によれば、2004年末時点での世界のHIV感染者数は3940万人(3590〜4430万人)にのぼり、同年の新規感染者数は490万人(430〜640万人)、エイズによる死者数は310万人(280〜350万人)であった。エイズ問題最近の特徴として、経済成長と所得格差が著しい中国における感染者の急増や、先進国でありながら感染者が増加している日本の動向などが注目されているが、依然として世界で最も深刻な状況にあるのはサハラ以南アフリカといえる。
2004年末時点のサハラ以南アフリカにおけるHIV感染者数は2540万人と推計されており、世界人口の10%を占めるに過ぎないこの地域に世界の感染者数の3分の2が暮らしていることになる。(女性に限れば4分の3に達する)当地域の成人感染率(7.4%)はここ数年横這いを続けているが、これは事態の改善を示すものではなく、新規感染者とほぼ同数がエイズによって命を落としている結果である。また、サハラ以南アフリカの中でもとりわけ深刻なのは南部地域であり、世界人口のわずか2%が暮らすアフリカ南部9カ国に世界HIV感染者のおよそ30%が集中している。
HIV成人感染率(上位10位)
順位 |
国名 |
成人感染率 |
1 |
スワジランド |
38.8 |
2 |
ボツワナ |
37.3 |
3 |
レソト |
28.9 |
4 |
ジンバブエ |
24.6 |
5 |
南アフリカ |
21.5 |
6 |
ナミビア |
21.3 |
7 |
ザンビア |
16.5 |
8 |
マラウイ |
14.2 |
9 |
中央アフリカ |
13.5 |
10 |
モザンビーク |
12.2 |
参考URL
http://www.africanewsletter.com/PDF/africanewslettervol02no03.pdf