その時自分はかなり悩んでいた。時は西暦2006年2月4日深夜。高松ゼミ2005年度冬合宿出発前夜のことである。合宿初日で発表予定だった自分の研究テーマが未だに決まらず焦っていた。当時の自分はそのおよそ一年前に地元福井でとある自主映画の製作に関わった事をきっかけとして方言について若干の興味を抱いていた。あらゆる事象を研究テーマの対象としてよいのであれば方言であってもよいのではないか?そう考えていたがしかし、方言を調べるとなれば膨大なフィールドワークが必要となってくるであろう事が悩みの種であった。方言でないとすれば何にするべきなのか再度黙考したところ、ぼんやりと浮かんできたのは音響という二文字である。振り返ってみれば自分は今まで専門的な教育を受ける事なくイベントや芝居における裏方業を経験してきた。主に音響を経験してきたのでここらでひとつ覚えておくのも悪くは無いぞとも思った。そうこうして考えているうちに結局自分の研究テーマを音響関係に定め、それではあまりに抽象的過ぎるので具体的そうな単語として『PA』という単語を当てはめる事にした。音響を専門的に極めよう、映像や照明といった他の裏方業はあくまで趣味の範疇に抑えておこう、そう考えていたのであった。しかし、
人生、何が起こるかわからない。
その一ヵ月後、ビデオカメラを買いました。
さらに一ヵ月後、新入生向けのサークルの紹介映像を作りました(正確には再編集)。
そしてさらに一ヵ月後、その映像をきっかけに映像制作会社へのバイトが決まりました。
バイトが決まってから一年八ヵ月後、別の映像制作会社に内定が決まりました。
とまあこんな具合で全然違う分野に突き進んでしまいました(爆)。
それでもまぁゼミはゼミで毎週やっていて面白かったです。
毎週必ず発表が原則ですから毎週ネタを考えなければいけない。
しかも自分だけが納得せず、聞いている皆が判るように噛み砕いて説明できなければいけない。 ←これが最も難しい
忙しい学生生活(※)の中でそれを実践しようとつとめた結果どうなったかは、自分のページをご覧になったのであればおわかりいただけるかと思います。
苦し紛れに出したネタで繋いだ事もありましたし、ずいぶん脱線した話になることもありました。
PAなんてでかいテーマ掲げておきながら、結局卒業論文はCD関係のものにこぢんまりとまとまってしまいました。まったくもってお恥ずかしい限りです。
それでも好き勝手やれて、楽しかったのは事実です。
これを見たのがゼミの人だったら言っておきます。
自分のやる事を楽しんでください。そしてその楽しさを他の人に伝えられるよう工夫してください。
それだけでもゼミの発表はだいぶ面白くなります・・・たぶん。
んじゃ。
宮越 健