音響兵器
時には人に害を与えるほどにもなる音を利用した兵器というものが開発されている。戦闘能力を奪う非破壊・非殺傷を目的とした場合、呼吸疾患などの可能性がある催涙ガス等よりもこのような兵器の方が有効ではあるので、割と期待されていたりする。
●ユンカースJu87・・・ナチスドイツの爆撃戦闘機(1935〜1945)
当初サイレンの類は装備していなかったものの、急降下時の風切り音の敵兵に対する威嚇効果が認められ、以後主脚にプロペラ状のサイレンを取り付けるようになった。
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●V-1・・・ドイツ空軍のミサイル兵器
現在の巡航ミサイルの始祖ともいえる兵器で、宣伝相ゲッペルスにより報復兵器第1号(Vergeltungswaffe 1)と名づけられた。命中率が10%以下という欠陥品だったが、ジェットエンジンの独特な飛行音は標的となったロンドン市民にストレスを与えていたという。
●LRAD・・・Long Range Acoustic Device(長距離音響装置)
2004年にイラク駐留米軍に配備された音響兵器。直径80cmで20kgほどの重さをもつこれは、効果範囲270m以内の対象に向けて作動させることで戦闘意欲をなくすことができるという。PC・CD・テープ・MP3プレイヤーが接続できて、出力もある程度下げることが可能なので実はスピーカーとしても使える(これは音響兵器全般に言われるのかもしれない)。
参考
Wikipedia『音響兵器』『Ju87』『V1飛行爆弾』