スピーカーA
●波長について
波長λ (m)、音速C (m/s)、周波数f (Hz)とすると、以下の関係が成り立つ。
λ=C/f
例えば音速を340m/s、周波数を20Hzとした場合λ=340/20=17 (m)で、同じ音速で周波数を20000Hzとするとλ=340/20000=0.017 (m)となる。20Hz〜20000Hzというのはヒトの一般的な可聴範囲であるが、すなわちヒトはだいたい1.7cm〜17mの範囲の音を聞き取る力をもっていることになる。
●エンクロージャー
スピーカーユニットを取り付ける板のことをバッフル板という。ユニットのコーン紙後部から出る音はバッフル板によって前面に出ないよう妨害されるが、一般的に1/2波長以上のバッフル板にユニットを取り付ければその周波数までは再生が可能となる。
例)100Hzならばλ=3.4mなので1/2λ=1.7m。
∴3.4m四方のバッフル板が必要。⇒実用的とはいえない
そこで平面であるバッフル板を折り曲げて実用的な大きさにしてみた『後面開放型エンクロージャー』ができ、そこからさらに折り曲げて後部を密閉してしまった『密閉型エンクロージャー』ができた。しかしただ密閉しただけでは内部に圧力がかかってしまうので、吸音材を入れるといった対策が必要になってくる。
背面からの圧力の影響を避けるために裏蓋を開放してしまっては後面開放型になってしまう。そこでユニットを取り付けてある前面に穴(ポート)を開けるという『バス・レフレックス型(バスレフ型)エンクロージャー』が考え出された。こうすることによって位相が反転し、低域の再生に優れたものとなる。
また、面積を増やして低音の反射効率を大きくするためにポートではなくホーンを取り付けたものもあり、ユニットの前に付けた物を『フロント・ロード・ホーン型〜』、後面に付けた物を『バック・ロード・ホーン型〜』という。
参考
小瀬高夫、須藤浩・著『PA入門』(2005)
http://www.geocities.jp/gsapallas1300/