コネクタB
●実際のPAで使われるコネクタとは…?
前回、前々回の2回にわたり、音響機器に接続されうるいくつかのコネクタを挙げたが、実際にPAに使用されるのはどのコネクタ(が用いられたケーブル)なのかという話。
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最も使用されるのは前回挙げたXLRコネクタ(右画像)である。マイク〜音響機器間に接続されるのはもちろん、音響機器同士の接続(ex.デッキ〜ミキサー、ミキサー〜アンプetc)にも使われ、アンプ〜スピーカー間のスピーカーケーブル用に使われることもある(※1)。『使い勝手が良い』だけでここまで使われているのもすごい話である。
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次に使用されているコネクタは標準サイズのフォーンプラグだが、これは楽器のアンプ接続用にも使われるくらい使用頻度が高い。ただしあくまで標準サイズのみであり、家庭で一般に使われているようなミニサイズ・ミニミニサイズのフォーンプラグはPAの現場で使われることはほとんど無い(※2)。PAエンジニアらがモニタリング用に使うヘッドホンも繋ぐ端子は標準サイズになっており、デッキ側のレセプタクルもほとんどが標準サイズ対応になっている。
一般のAV機器にも使われるRCAコネクタは実際のところあまりPAで使われることは無い。接続時に発生するノイズ(これはフォーンプラグにも当てはまるが)や、物理的強度の問題から敬遠される傾向にある。しかし接地面積の広さなどを考慮すると、頻繁な抜き差しをしなければかなり理想的なコネクタであるといえる(でも使ってもらえない。不憫だ)。
※1→先日、大学の511教室のステージ裏を漁っていたら昔使用されていたであろうスピーカー及びアンプが埃をかぶって放置されていたが、スピーカーを見てみたらXLRのレセプタクルが付いていた。
※2→まったく無いわけではなく、かなり例外的なケースではあるがミニサイズのフォーンプラグが使われることはある。2006/10/8に行なわれたセニョール・ココナッツのライブにおいて持込機材のひとつであるiBookはヘッドホン端子からの出力音声がPA側に送られていたという記事が現在発売されているサウンド&レコーディング・マガジン12月号に載っていた(p.87)。あと、個人的にも2回くらいやったことある(演劇の音響で)。
参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/
http://www.ottotto.com/sound/index.html
『サウンド&レコーディング・マガジン2006年12月号』(リットーミュージック)