舞台機構機能調整
音響関係で唯一の国家技能検定が舞台機構技能調整である。厚生労働省の管轄にはなっているが、実際厚生労働省が行なっているのは関係法令の整備・運営と、試験の合否基準の決定、全国統一実施日の決定だけで、試験問題の作成や受験の申し込みなどは各職種関連の民間協会に委託しており、実権はそちらの方が握っているのが現状である。
●歴史
昭和55年度(後期)に最初の検定試験が行なわれたが、この時の合格者率は2級が34.1%、1級が9.1%だった。特にこの時の1級の合格者率は未だ過去最低となっている。ちなみに次の年度では合格者率が2級は62.5%、1級は47.1%に跳ね上がった。3級の試験が開始されたのは平成7年度(前期)からで、これにより受験者が飛躍的に増大した。
●受験資格
別紙参照。平成16年度から大幅に緩和されて現在のものになった(←関連団体はなぜかやたらとここを強調している)。
●試験内容
学科試験と実技試験の二つを行なう。受験料金は学科が3100円、実技が15700円(1、2、3級とも同料金)。なお実技試験の方はさらに作業、要素の二種類に分けられる。作業試験では実際に音響機器を用いて課題音源(※1)のミキシングを行ない、要素試験ではCDに記録された様々な音源(※2)を聞いて音質等の判別を行なう。
※1■3級→ナレーターによる朗読。制限時間7分。
■2級→男性ボーカル、フォークギター、カラオケの音楽CDによる演奏。ちなみに曲目は平成13年度の試験から喜納昌吉の「花」(それ以前はビートルズのミッシェル)。制限時間18分。
■1級→男性ボーカル、フォークギター、ピアノの計3人による演奏で、途中にCDによる花火の効果音を入れる。曲目は平成11年度から井上陽水の「少年時代」(それまでは映画『明日に向かって撃て!』の主題歌「Raindrops Keep Fallin' On My Head(雨に濡れても)」)。なお1級試験のみ音源の入出力は全てステレオである(2、3級はモノラル)。制限時間は30分。
※2■3級→楽器の音色の判別や音量、音質などの判別に冠する問題が出題される。制限時間約17分。
■2級→3級と似た問題だが、音楽ジャンルの聞き分けが追加される。制限時間は30分。
■1級→2級のような問題傾向でさらに難しくなっている。
参考URL
舞台機構調整研究会(個人HP)→http://www.h6.dion.ne.jp/~kentei/
厚生労働省:技能検定制度→http://www.mhlw.go.jp/general/seido/syokunou/ginou/index.html