(2)ウルグアイアン・トライアングル
フッキ
フッキの愛称で知られるブラジル人FWジバニウド・ビエイラ・ジ・ソウザは2008年7月25日、ウルグアイのCAレンティスタスからポルトガルのFCポルトへ移籍した。移籍金は550万ユーロ(9億3000万円)で、契約期間は4年。
ポルト移籍以前は東京ヴェルディに在籍していたはずだが、ウルグアイのクラブから移籍したことになっている。
CAレンティスタス
ブラジル人代理人のジョアン・フィゲルやコンスタンチン・テオがブラジル人選手を移籍させる際に移籍金獲得・脱法のためにレンティスタスを使用することで知られている。最近では川崎フロンターレ所属のレナチーニョや元東京ヴェルディ所属のフッキの移籍の際に使われた。ちなみに彼らはレンティスタスに一時所属したことになっているが実際にこのチームでプレーしたことはない。
これらは、ウルグアイでは移籍金に関する収入は非課税になっていることと大きく関係している。若手ブラジル人選手の保有権のみを買い取り、所有元のクラブにレンタル移籍させる。実績を積み重ねて、巨額のオファーが来たときに移籍させれば、本来課税されるはずの税金分だけ、レンティスタスと代理人には大きな利益がもたらされることになる。
ジョアン・フィゲルの錬金術
プランA:まずフィゲルがウルグアイのクラブを経由して活躍が期待できる若いサッカー選手のパス(保有権)を完全もしくは50%買い取る。次にそのサッカー選手が所属しているクラブにレンタル移籍という形式で送り戻す。そして時が来たら巨額の移籍金でヨーロッパのクラブに販売する。つまりこの場合ブラジルのクラブはサッカー選手のショー・ウィンドウであり、販売している彼には非課税の恩恵により大きな利益がもたらされる。
プランB: すでに移籍が決まっているサッカー選手を一度ウルグアイのクラブに移籍させ、ほぼ同時に2倍以上の金額でヨーロッパのクラブに移籍させる。このやりかたはウルグアイアン・トライアングルと呼ばれた。