平成21年11月6日
中東を選んだ元Jリーガー(1)
104‐417 樋川朋也
ダヴィ・ジョゼ・シルバ・ド・ナシメント
2007年にブラジルのECヴィトーリアからJ2・コンサドーレ札幌に加入。当初の契約は2007年7月31日までの期限付き移籍契約であった。活躍が認められシーズン終了までの期限付き移籍契約延長を勝ち獲り、チームを6年ぶりのJ1復帰へと導いた。
2008年からは前年の実績から札幌への完全移籍となった。シーズン途中の9月にはカタールのアル・サッドへの移籍話が持ち上がったが、契約が成立せず札幌に残留。
2009年より、J1の名古屋グランパスへ移籍金約3億円で完全移籍。1月にはギリシャのメディアで同国の強豪オリンピアコスへの移籍に関する報道もされた。7月9日、カタールのウム・サラルSCへの移籍がクラブ間で合意。7月22日に完全移籍が正式に決定した。
予想外の無給生活
2008年秋から、あるモロッコ人ブローカーとパラグアイサッカー協会公認代理人を通してアル・サッドへの移籍の話が出たが、実際にオファーは無く、話し合いだけに終わった。2009年に入り、ウム・サラルからのオファーが届いた。
カタールのウム・サラルでの基本給100万ユーロ(約1億3300万円)、勝利給などをすべて含めると150万ユーロ(約2億円)の4年契約。名古屋時代は月給2万ドル(約180万円)、合計50万ドル(約4500万円)だったので移籍はプロとして当然の決断だった。
しかし、7月にウム・サラルと契約して以来、3ヶ月給料が振り込まれていない。カタールの場合、外国籍選手への給料はクラブではなくQNOC(オリンピック評議会)から支払われる。だが、QNOCにいくら問い合わせても「ボクラ、インシャーラー」(「明日です、神の思し召しのままに」という意味だが実際は何も起こらない。アラブ人の怠け癖を象徴する言葉)と言われるだけで何の進展もない。それでも、日本のブローカーには給料の10%の支払いを催促されている。滞納されているから支払えない。クラブとの交渉にあたった君のパートナーである、ドーハ在住のブローカーの力が必要だと言い返しても、早くしろの一点張りだ。他にもドーハのブローカー、ブラジルの代理人に対してそれぞれ給料の10%ずつ支払いを契約している。
参考書籍、URL
2009 『サッカーダイジェスト11月3日号』 日本スポーツ企画出版社
http://ja.wikipedia.org