平成21年10月30日
中田英寿(21)
104‐417 樋川朋也
試合に出られない中田(2)
中田の移籍手続きがストップしたことがマスコミによって報じられると、アレッサンドロは中田の移籍交渉のときと同じようにマスコミの前でパフォーマンスを始めた。
8月20日に「22日までには、ベルマーレ平塚と日本サッカー協会から『移籍承諾書』と『国際移籍証明書』が届くので、23日のコッパ・イタリアへの中田の出場は90パーセント可能だ」と答える一方で、22日には「すべての問題は代理人の堀田氏にある。ペルージャとベルマーレ平塚は、代理人を仲立ちとせず直接交渉で再び契約を結びなおす」と弁明した。
24日、ペルージャの代表として記者会見をしたアレッサンドロは、すべては堀田の落ち度であり、ペルージャには非難されるいわれはないと語った。
また、契約書が白紙同然であることに気付いた堀田は、ペルージャと中田の契約から一切手を引くことを明言した。そして、アレッサンドロの記者会見を受け、スペイン・マドリードで反論し、アレッサンドロとの契約内容を公開するとともに、「すべては代理人の責任」と言ったアレッサンドロを名誉棄損で告訴する準備もあると語った。
交渉が進んだのは9月に入ってからだった。
9月4日、来日したアレッサンドロは、ベルマーレ平塚の本社を訪れ中田の移籍に関する契約を正式に結んだ。330万ドルの移籍金は、手付金入金の後、一括で支払われることとなった。
9月8日、手付金としてベルマーレ平塚に60万ドルが振り込まれ、ベルマーレ側が「移籍証明書」を発行すると共に、日本サッカー協会へ「国際移籍証明書」の発行申請書を提出した。日本サッカー協会副会長の小倉純二は、即座にこの国際移籍証明書にサインし、イタリア・サッカー協会へ送った。
こうして、イタリア・サッカー協会は中田を選手として登録した。9月13日のセリエA開幕戦に出場できることになった。
参考書籍、URL
小松成美 (1999) 『中田英寿 鼓動』 幻冬舎
http://www.sobido.jp/spain/modules/top/?id=1 スペイン留学館
http://calcio.main.jp/ セリエA・カルチョ・ナビ