平成19年12月14日
ライトノベルの源流
104-221 坂田 悠
ライトノベルは、そもそもの定義すらも曖昧ではあるが、現在のライトノベルという存在を作るに至った源流とでも呼ぶべき物が存在している。それは、平井和正氏の『新幻魔大戦』である。
この作品は、元々は1967年に週間少年マガジンにて石ノ森章太郎と共作し、『幻魔大戦』を執筆したのが始まりである。この『幻魔大戦』自体は打ち切りとなったマンガであるが、この作品を出発点とし、その続編として作られたのが『新幻魔大戦』である。
この『新幻魔大戦』は1971年に『SFマガジン』にてマンガと小説を同時進行で掲載するという異例の手法で連載され、「劇画ノベル」などとも呼ばれた。
このマンガと小説の融合という手法を最初に行った『新幻魔大戦』は、ライトノベルとしての源流を作ったと言える。
また、この『幻魔大戦』は1983年に映画化しているが、その製作を現在のライトノベルのマルチメディア展開等を引っ張る、角川グループの角川春樹率いる角川アニメーションが担当していたというのも、現在の角川のマルチメディア展開との関連を示唆するかのようである。
参考URL
http://homepage1.nifty.com/wychee/ota.html
参考文献
『ライトノベル完全読本』 日経BP社 ムック 2004