平成19年12月7日
アニメ関係者から見たライトノベル
104-221 坂田 悠
ライトノベルのマルチメディア展開のメインとも言えるアニメ化ではあるが、実際にアニメ関係者の側から見た意見はどんなものだろうか。
オニロ社社長井上博明氏は、ライトノベルのアニメ化には幾つかの問題点があると言う。まず一つ目は、原作ファンの存在である。原作ファンはアニメ化に際してはプラスにもマイナスにも働くと言える。原作ファンにだけ向けて作っていればビジネスとしてはほぼ確実ではあるが、作品が大化けするチャンスを同時に摘んでしまっているとも言えるからである。
二つ目の問題は、放映期間の短さである。2004年現在のTVアニメは1クール(3ヶ月)のものが多く、原作者に新しいアイデアを提示する時間がなかったりなど、原作に頼った作品(原作のストーリーをなぞるだけの作品)になってしまうことである。
三つ目の問題は、ライトノベルのアニメ化の多くが、原作が完結しないうちにアニメ化されることである。この場合、原作を読んでいる人にとっては原作の過程の物語であると理解できるが、アニメだけを見ている人にはよくわからないストーリーになってしまうということもありえる。
アニメを製作する上で、原作は大事ではあるが、原作に縛られすぎては新しいファン層の開拓や、製作者側が作ってても面白くない。しかし、原作の事を無視してのアニメ製作をすれば、原作者や原作のファン層が不快感を感じる。ライトノベルのアニメ化を行う際には、原作の世界観を生かし、且つ原作には無い面白さを引き出すようなストーリー性が求められる。
ライトノベルアニメ本数
2003 6本 電撃2 富士見3 スーパーダッシュ1
2004 3本 集英社コバルト2 角川ビーンズ1
2005 8本 電撃4 富士見1 角川スニーカー1 ファミ通1 スーパーダッシュ1
2006 16本 電撃3 富士見2 角川スニーカー1 角川ビーンズ2 角川1 MF3 ファミ通1 集英社コバルト1 ハヤカワ1 C・NOVELS1
参考URL
http://d.hatena.ne.jp/sixtyseven/20061010/p2
http://lain.gr.jp/modules/mediadb/chronology.php
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060424/1145886351
参考文献
『ライトノベル完全読本』 日経BP ムック 2004