平成19年6月29日
ライトノベルの国外での動向
104-221 坂田 悠
韓国
韓国では主にコアムナノバイオ(大元C.I.)や鶴山文化社、ソウル文化社が日本で人気が出たタイトルを軒並み翻訳しており、一部の大型書店であれば簡単に手に入れることができる。刊行ペースもかなり早く、日本国外では最も日本産ライトノベルを受容している国といえる。また、韓国でも「ライトノベル」という言葉を使っているがあまり一般的に浸透している言葉ではない。
香港・台湾
香港・台湾では角川書店の現地法人・台湾国際角川書店がスニーカー文庫や電撃文庫の一部作品を繁体字中文に翻訳して発売している。また、2007年には青文出版集団が集英社と独占契約を締結し「菁英文庫」(Elite Novels)のレーベル名でスーパーダッシュ文庫(集英社)・コバルト文庫(集英社)のタイトルを刊行しているのを始め、日本では後発参入であるGA文庫(ソフトバンク)やHJ文庫(ホビージャパン)もそれぞれ現地の出版社と独占契約を締結している。GA文庫は尖端出版、HJ文庫は東立出版社である。
アメリカ
アメリカでは2004年にTOKYOPOPが『スレイヤーズ』(富士見ファンタジア文庫)を刊行して以降、VIZ Mediaが『灼眼のシャナ』(電撃文庫)を刊行する(2007年4月16日小説版・漫画版同時発売)など紹介されたタイトルは少数に留まり、漫画作品に比べると余り翻訳出版は進んでいなかったがセブンシーズ・エンターテインメントがメディアワークス他からライセンス供与を受け2007年より「lightnovel」レーベルを新設し、『しにがみのバラッド。』(電撃文庫)や『ヴぁんぷ!』(電撃文庫)『かのこん』(MF文庫J)などを刊行し、更に韓国・台湾に続き講談社『ファウスト』の創刊も決定している。
その他の国
ヨーロッパではTOKYOPOPがドイツで主に角川グループ系やコバルト文庫の作品を翻訳出版している。ロシアでは日本における略称「ラノベ」がそのままの意味で単語として定着しつつある。
参考URL