平成19年6月15日
電子書籍
104-221 坂田 悠
概要
電子書籍とは、これまでのようなインクを用いた印刷物ではなく、パソコンや携帯等の電子機器のディスプレイを利用したメディアで読むことが出来る出版物である。これらには、大きく分けて二種類の様式があり、パソコンや携帯電話等にダウンロードして閲覧するタイプと、インターネットに接続した状態で閲覧するストリーミングタイプである。
メリット
電子書籍は、従来は紙などの媒体に印刷する事に依存していた書籍を、電子化することによって、その収納場所の軽減による省スペース化や印刷コストの軽減・流通の簡便化を狙った物である。
特に、コンピュータネットワークを利用することで、書籍を購入したら取り寄せなどで待たされる事無くその場で読める他、データ化することによって在庫を持つ必要が無くなり、日々膨大な量が出版されている書籍に常に付き纏う絶版等の問題に悩まされずに済む等の利点が挙げられる。また、最近では電子書籍の普及が神資源の消費を減らす事から地球の緑化運動にも貢献すると考えられている。
デメリット
電子化を行う際に最も大きな課題とされているのが、電子書籍に関わる複雑な権利関係をどのように処理するか、ということである。
現在の電子書籍は、主にこれまで紙媒体で流通していた作品を電子化したものが大多数である。また、そのような作品が一番人気があり、市場でも売れている。しかし、既に発売された作品を電子化する権利を誰が所有しているのかがはっきりしていないことが多い。
また、電子書籍は紙や印刷などのコストが無い分、その価格が安いものであると思われがちだが実際にはこの複雑な権利関係のために、従来の印刷物より高い作品が存在する。その例としてはフランス書院の電子書籍などがある。また、その権利関係ゆえに世間で話題の新作がすぐに電子書籍として発売されるケースはまだまだ少ない。
それ以外にも、再生用の電子機器がデジタルデバイド(情報格差)を産んでしまう可能性も否定できない。特に米国では、政府は公的な資料を発表するにあたり電子化に積極的だが、有権者の全てがパソコンを持ち、またゆっくりとそれらを閲覧できる通信環境に在るとは限らない。この点が、完全な電子出版化の足枷となっている。特に、この問題は発展途上国で深刻であり、電子化によって発生するデジタルデバイドにより、こうした通信環境の整っていない貧民層の手に届かない危険性を生む。
参考URL
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%9B%B8%E7%B1%8D