平成19年6月8

                                   続・声優の歴史

                               104-221 坂田

端境期

 1980年代末のテレビアニメ『鎧伝サムライトルーパー』に出演した佐々木望、草尾毅ら5人の男性声優で1989年に結成した「NG5」が人気を集めた。毎日放送制作のドキュメンタリー番組の特集にもなるほど人気だったが、人気はNG5に限定されて、ブームと言えるほどの声優全般の人気とまではならなかった。声優プロダクションの付属養成所以外に、アニメ系の専門学校に声優養成コースが設けられるようになった。

第三次声優ブーム

 この第三次声優ブームは1993年頃より始まったと見られている。このブームで人気となる声優の多くがラジオでの活動を通じてファンを獲得し、CDを売り上げ、大ホールでのコンサートを繰り広げた。1980年代の第二次ブームにも声優がラジオ番組でDJを務めることがあったが、このブームでは声優が専属契約するレコード会社がラジオ番組のスポンサーとなり、商業化が顕著となった。林原めぐみ、椎名へきる、國府田マリ子らが成功の先駆けとしてモデルケースとなった。同様の手法で声優事務所やレコード会社が若手声優の売り出しを図るようになった。これまでのブームと比較してさらに声優の露出が増加し、アイドル化、タレント化が進行したのが特徴。

 それまでのブームがテレビという大衆メディアを背景としていたのに対して、ラジオ番組・OVA・テレビゲーム・イベント・インターネットと、よりパーソナルなメディアを背景として情報が発信されるようになった。この第三次声優ブームにあやかって、1994年には初の声優専門誌「声優グランプリ」(19941130日に季刊誌として主婦の友社から創刊。現在月刊誌として毎月10日発売)「ボイスアニメージュ」(1994年徳間書店から創刊。2002年に編集長の移籍と共に角川書店にて、季刊誌としてVOICE Newtypeとなった。)が創刊され、そして声優専門のテレビ番組「Voice Actor 30(関西テレビにて5分間のミニ番組として放送)や「声・遊倶楽部」(199510月〜1996年3月にテレビ東京系で放送)などが誕生した。

 また、2000年代に入ると、この1990年代中期に起こった第三次声優ブームほどのブームは影を潜めたものの、その頃の熱狂的ブームに影響を受けた声優が数多くデビューし、アニメや外画への出演など本格デビュー前の新人声優がインターネットラジオ番組やイベントで活躍する機会も増えた。 また、インターネットの普及によって、事務所所属をしておらず、自前でインターネットラジオやラジオドラマさらにはアニメを自主制作し、それらに出演するネット声優も出現した。なお、情報化社会の発展によって1990年代中頃と2000年代での声優をとりまく様相が異なり、前期に活躍した声優がそれまでの活動から一線を引き安定した活動に移っていたり、新たな声優がブームの中心として活躍しているため、2000年代に入って以降を第四次声優ブームと呼ぶ場合もある。この場合、第三次と第四次の間隔はほとんど(あるいは全く)無いと考えられる。

参考URL 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%B0%E5%84%AA

http://www.animaxis.com/ja/zine/newsletter/view.asp?id=N000653