平成19年6月1日
声優の歴史
104-221 坂田 悠
声優誕生
声優の歴史は1925年に、NHKの前身である社団法人東京放送局がラジオ放送を開始した所にまで遡る。同年に公募されたラジオドラマ研究生12名が、声だけで演技を行なう専門の俳優として、日本の声優第1号とみなされている。しかし、この当時は新聞では「ラジオ役者」と呼称されており、「声優」とは呼ばれていなかった。
更に時代が進み、1941年、NHKはラジオドラマ専門に俳優を養成する「東京中央放送局専属劇団俳優養成所」の研究生を公募。翌、1942年に東京放送劇団の1期生がデビューを果たし、これが声優第2号とみなされた。尚、「声優」という言葉が使われたのはこの頃からである。また、「声優」の呼称は、読売新聞の芸能記者だった小林徳三郎によるものという説と、NHKの演芸番組担当プロデューサー大岡龍男が命名したという説がある。
第一次声優ブーム
第一次声優ブームは民放テレビの草創期に、1961年の五社協定でテレビ局への日本映画の供給停止が決まったことなどによるソフト不足から、海外ドラマや洋画等のいわゆる外画の日本語吹替版が数多く放送され、これを背景として声優人気が高まっていった物である。この頃は現在のアニメ等の声優業というよりも、別称である「吹き替えタレント」や「アテ師」という呼び名の通り、吹き替えを主にしたものであった。
第二次声優ブーム
第二次声優ブームは1970年代末からのアニメブームと並行して起こったブームである。この第二次声優ブームは、声優によるレコードが発売されたり、現在の声優業の一環でもあるアニメ声優がパーソナリティを勤めるラジオ番組が誕生するなど、アニメ声優に関する活動を大きく変化させて行った。また、人材の供給・育成面では、声優専門プロダクションが分裂することによって次第に数が増え始め、各プロダクションにより声優養成所が設けられた。これらにより、放送劇団出身者や舞台役者の俳優活動の一環や余技としての声優業ではなく、最初からアニメ声優を目指した声優が登場し始めた。このブームは、およそ1980年代前半までとされる。
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