平成18年12月15日
企業としてのメディアワークスの取り組み
104-221 坂田 悠
ライトノベル業界で最大のシェア率を誇る電撃文庫を発刊しているメディアワークスについて調べてみた。
・営業面における工夫
メディアワークスでは、「電撃組」と呼ばれるシステムを作り、配本する書店を絞っている。単純にばらまくのではなく、電撃文庫を求めている読者の手に確実に届く書店に置くようにして、ポップやチラシ等で販促の支援をしているとのこと。この取り組みによって、普通の文庫書籍であれば返本率が30%後半から40%を超える所を、電撃文庫は23%に抑えているとのことである。
・編集面における工夫
メディアミックスについてきっちりと考えるようにしており、編集者は自分の担当している作品についての考えを具体的に発表していく、とのことである。例えば、「2年後にはこの作品をアニメ化したい」という意見に対して、「それならばラジオドラマをこの時期に仕掛ける必要がある」といった事を定期的に話し合っているとのことである。
・発刊点数等の実績
年間で150点以上を発刊しており、2004年秋時点で累計1000点を突破した。また、毎月の新刊部数が70万部を越えているとのことである。
作家は年間10人ほどデビューしている。
2004年時点で、300店舗を展開する大手書店チェーンの文庫売り上げランキングで、電撃文庫は全文庫中5位に入っているとのことである。
参考文献
『ライトノベル完全読本』 日経BPムック 2004年
参考URL
濃霧-gNorm- ひょうたん書店 準公式サイト http://b-chief.org/archives/2004/08/dgb.html