1、趣旨

  受取配当等は、収益の額として益金の額に算入するのが原則であるが、法人間配当の二重課税を排除するなどの見地から、一定額については益金不算入とする。

2、内容

  内国法人から受ける次の額(外国法人若しくは公益法人等または人格のない社団等から受ける(1)に掲げるものを除く。以下、配当等の額という。)のうち、連結法人株式等及び関係法人株等のいずれにも該当しない株式に係る配当等の額の50%相当額並びに関係法人株式等に係る配当等の額については、各事業年度の益金の額に算入しない。

(1)  剰余金の配当(株式または出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの等を除く。)等または一定の特定株式投資信託の収益の分配の額

(2)  資産流動化法に規定する金銭の分配の額

(3)  公社債投資信託以外の証券投資信託(特定株式投資信託を除く。)の収益の分配の額のうち、内国法人から受ける(1)に掲げる金額からなる一定の金額

3、短期所有株式等に係る配当等

内国法人がその受ける額(みなし配当を除く)の元本である株式等をその配当等の額の支払に係る基準日(信託の収益の分配にあたっては計算の基礎になった期間の末日)以前1月以内に所得し、かつ、その株式等(同一、銘柄を含む。)をその基準日後2月以内に譲渡した場合において、その譲渡した株式のうち一定の算式により計算したものに係る配当等の額については、益金不算入の適用はない。

4、控除負債利子

内国法人がその事業年度において支払う負債利子がある場合には、受取配当等の益金不算入額は次の額の合計額とする。

(1)連結法人株式等及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等につき受ける配当等の額の合計額から、その負債利子のうちその株式等に係る部分の金額を控除した金額の50%相当額

  (2)関係法人株式等につき受ける配当等の額の合計額から、その負債利子のうちその株式に係る部分の金額を控除した金額

5、関係法人株式等の意義

  内国法人が他の内国法人(公益法人等又は人格のない社団等を除く。)の株式又は出資

(当該他の内国法人が所有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の25%以上

 を、その配当等の額の支払に係る効力の生ずる日以前6月以上引き続き有している場合その他一定の場合における当該他の内国法人の株式又は出資(連結法人株式等を除く。)をいう。 

 

参考URL

総務省行政管理局『法人税法、法人税法施行令』

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO034.html

 

 

 

補足説明

 

1、公益法人とは?

公益法人とは、一般に民法第34条に基づいて設立される社団法人又は財団法人をいう。

2、人格のない社団等とは?

社団としての実質を備えていながら法令上の要件を満たさないために法人としての登記ができないか、これを行っていないために法人格を有しない社団をいう。具体的には設立登記前の会社や町内会をいう。

3、特定株式投資信託とは?

特定株式投資信託とは、信託財産を株式のみに対する投資として運用することを目的とする証券投資信託のうち、その受益証券が証券取引所(金融商品取引所)に上場されている投資信託をいう。特定株式投資信託に該当する投資信託としては日経300株価指数連動型上場投資信託や上場投資信託(ETF)などがある。

4、資産流動化法とは?

正式な法律名称は「資産の流動化に関する法律」である。この法律の目的は当該法律の第一条によって以下のように定められている。「この法律は、特定目的会社又は特定目的信託を用いて資産の流動化を行う制度を確立し、これらを用いた資産の流動化が適正に行われることを確保するとともに、資産の流動化の一環として発行される各種の証券の購入者等の保護を図ることにより、一般投資者による投資を容易にし、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」

5、みなし配当とは?

みなし配当とは、法人が株主への金銭等の交付を伴う減資、分割型分割、解散、合併などを行った際に、交付される金銭等のうち、剰余金に該当する部分(資本等の金額を超える部分)のこと。

6、連結法人株式等とは?

連結法人株式等とは、配当等の計算の基礎となった期間の開始の日から、その期間の末日まで継続して配当等を受ける連結法人と、その配当等を支払う他の内国法人との間に、連結完全支配関係があった場合の当該他の内国法人の株式または出資をいう。