のれん
定義
のれんとは、人や組織に関する優位性を源泉として、当該企業の平均的収益力が、ほかの同種の企業のそれよりも大きい場合における、超過収益力である。
創業200年の老舗和菓子店(A)・・・・資本金1千万円
創業5年の和菓子店(B)・・・・資本金1千万円
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AとBの保有資産を仮に同じとした場合、AとBの企業価値は同じだろうか?
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技術力、知名度等を観点として
被取得企業または、取得した事業の取得原価が、取得した資産、受け入れた負債に配分された純額を超過する額をいい、不足する額を負ののれんという。
A社は、B社(企業の価値は80億円)を100億円で買収した。
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100億円−80億円=のれん20億円
のれんの償却
@ 償却不要説
のれんは、半永久的な資産であり、のれんの価値は、営業の継続とともに、その価値は、増加するという考え方を前提に、のれんは償却しないという会計思考。
A 償却必要説
のれんは、競争企業が存在する限り、永久に維持することはできず、その価値は減少するという考え方を前提に、減少部分につき、償却が必要だとする会計思考。
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今現在、日本の会計基準は、のれんを規則的に償却しているが、
国際基準では、のれんは、規則的に償却していない。
実施時期 |
買収企業 |
被買収企業 |
金 額(億円) |
償却期間 |
06年9月 |
セブン&アイ |
ヨークベニマル |
600 |
20年 |
10月 |
阪急HD |
阪神 |
640 |
20年 |
12月 |
コナカ |
フタタ |
▲30 |
5年 |
国際基準や米国基準、減損処理のみで対応 「のれん」の会計処理は日本と海外では大きな違いがある。日本はのれんを均等償却することに加え、のれんの価値が大きく目減りした場合は減損処理の対象とする。 これに対して、国際会計基準や米国会計基準ではのれんを均等償却せず、減損処理のみで対応する。米国では二〇〇一年一月にアメリカ・オンライン(AOL)がタイムワーナーを買収。翌〇二年にのれんの減損損失五百四十二億ドル強を計上し、AOLタイムワーナーは約九百八十七億ドルという巨額の最終赤字に陥った。 のれんの扱いは、日本が国際会計基準と会計の共通化を進めるなかで注目されている。日本基準の独自性が強い部分だけに、国際会計基準を作る国際会計基準理事会などが、両基準の異なる点として指摘している。 日経新聞2006/11/09 |