圧縮記帳(1)

 

1、圧縮記帳とは
圧縮記帳とは、国庫補助金等の交付を受けて固定資産を取得した場合等において、一定の金額について、取得原価を減額して経理する方法である。
2、処理方法
圧縮記帳の処理方法には、直接減額方式と積立金方式とがある。

国庫補助金100万円を受け取り、機械装置を300万円(耐用年数5年、残存価額なし、定額法)で取得した。

例@(圧縮記帳適用なし)
1、国庫補助金受け取り時
 現金及び預金100万円 / 国庫補助金収入(収益)100万円
2、機械装置取得時
 機械装置300万円 / 現金及び預金300万円
3、決算時
 減価償却費(費用)60万円 / 機械装置60万円

⇒この場合、この企業の利益(収益−費用)は40万円である。
 そのため、利益に税金がかかる。
 仮に、税率を40%とすると、16万円を納めなければならない。
 しかし、この16万円の発生原因は国からの補助金である。
 このようなケースにならないように圧縮記帳制度が存在する。

例A(圧縮記帳適用・直接減額方式)
1、国庫補助金受け取り時
 現金及び預金100万円 / 国庫補助金収入(収益)100万円
2、機械装置取得時
 機械装置300万円 / 現金及び預金300万円
3、決算時
 機械圧縮損(費用)100万円 / 機械装置100万円
 減価償却費(費用)40万円 / 減価償却累計額40万円

⇒この場合、この企業の利益はマイナス40万円であり、利益が発生しないため税金はかからない。

3、圧縮記帳の目的
圧縮記帳制度は、課税の減免制度ではなく、課税の繰延制度である。