勝手に対決 第4回  〜死刑制度 存置・廃止〜                        


【死刑存廃をめぐる意見】                     

 年

 廃止

 存置

その他

1956年

 18.0%

 65.5%

 17.0%

1967年

 16.6%

 70.5%

 13.0%

1975年

 20.7%

 56.9%

 22.4%

1980年

 14.3%

 62.3%

 23.4%

1989年

 15.7%

 66.5%

 17.8%

1994年

 13.6%

 73.8%

 12.6%

1999年

  8.8%

 79.3%

 11.9%

2004年

6.0%

81.4%

12.6%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【死刑を廃止すると凶悪な犯罪が増えるか?】

 年

増える

増えない

一概に言えない

わからない

1989年

 67.0%

 12.4%

 16.2%

 4.4%

1994年

 52.3%

 12.0%

 30.8%

 4.9%

1999年

 54.4%

  8.4%

 32.4%

 4.8%

2004年

 60.3%

  6.0%

 29.0%

 4.8%

 

 

 

 

 

 

 

【死刑存置の理由】

(54.7)

凶悪な犯罪は命をもって償(つぐな)うべきだ

(50.7)

死刑を廃止すれば、被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない

(53.3)

死刑を廃止すれば、凶悪な犯罪が増える

(45.0)

凶悪な罪を犯す人は生かしておくと、また同じような罪を犯す危険がある

( 1.0)

その他(          )

( 0.8)

わからない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内閣府の調査より 

 

参考URL

http://www.jca.apc.org/~haikiren/poll.html

 

 

犯罪抑止力とならない死刑

 インターポール(国際刑事機構)の統計に見ると、死刑存置国の殺人発生率は10万人あたり7.6人だが、死刑廃止国は、4.6人である。

 

ファタ教授(カナダ シモン・フレーザー大学)の研究より

1 死刑執行数が減少すると殺人が増加するか

 →アメリカとオーストラリアの研究で否定された

2 死刑を廃止した州で殺人が増加するか

 →イギリス、カナダ、アメリカの11州で、死刑廃止が殺人の増加を招くという証拠も、その復活が殺人の減少を招くという証拠もない

3 アメリカの死刑廃止州は、それに隣接し、文化程度のよく似た存置州よりも殺人事件が多いか

 →有意差なし

4 死刑執行がひろく公表されたのちに、殺人犯が減少しているか

 →死刑執行の報道後、1年以内の犯罪数ではあまり変わっていない。

 

 殺人者は、主に2種類に分けられる。1つ目はそのときの激情にかられて、突発的に人を殺してしまう場合である。この場合、犯行に及ぶ、まさにその瞬間、死刑のことを考えるとは思えない。

2つ目は計画的・冷静な犯行の場合である。この場合、逮捕されること自体が予想外であり、死刑の存在とは無関係である。

 

 

被害者遺族の死刑廃止論

マリエッタ・イエガー (SOLACE(死刑廃止団体)のメンバー。7歳の一人娘を殺人で亡くした。)

「報復のために加害者を殺しても、娘はもう帰ってこない。殺すことが公正な報復であるという意見は、娘のかけがえのない価値をおとしめるものだ。殺したものを殺せば、殺されたものとの立場が同等になる。殺したものを殺さないで、殺された側から死刑廃止を主張することで娘がこの世に生きてきた意味を与えたい。」

 

杉野詳一

「本当に被害者の死を悼み、人の殺されたことを悲しむというのであれば、人間のなした行為により人が殺されるということを憎み、人が人を殺すということ、つまり、すべての殺人に対し絶対にもういやだというべきではないでしょうか。

 

参考

『日本残酷死刑史』  森川哲朗  2001年  日本文芸社

『いま、なぜ死刑廃止か』  菊田幸一  1994年  丸善株式会社