女子少年院 第2回
少年院の限界と課題
立ち直りにおける限界
犯罪白書(平成14年度)によると平成13年度の少年院新収容者に占める再入者の割合は、男子は17.0%、女子は8.0%である。また保護観察を終了するまでに処分を受け、再度少年院送致に至った者は、16.9%であった。また、再処分により、実刑となった者の比率は、0.2%である。
この数字を刑務所でみると、新収容者のうちの再入者の比率は、男子では51.0%、女子では28.6%である。また、出所後、再度実刑になる割合は、翌年で22.4%、5年後では47.9%に達している。
社会復帰への不安
再入院の理由には、悪友に誘われた、職が見つからなかった、就職したが上司とケンカしてやめてしまった、家族や地元住民との折り合いが悪かったなどがある。
また、凶悪事件を起こした少年が退院すると、マスコミが色めきたち、「本当に改心したのか」「あれだけの凶悪事件を起こした人間が、たった数年で立ち直れるはずがない」など大きく取り上げる。こうした社会的な注目と監視が行き過ぎると、少年の社会復帰が損なわれるのではないだろうか。
平成15年の犯罪統計
少年刑法犯検挙人員は,平成13年以降増加が続いており,15年は20万3,684人(前年比0.6%増)であった。人口比(10歳以上20歳未満の少年人口10万人当たりの検挙人員)も,13年以降上昇し,15年は1,552.9人であった。
15年における少年一般刑法犯検挙人員は,16万5,973人(前年比2.3%増)で,少年比(検挙人員総数に占める少年の比率)は,41.3%であった。少年一般刑法犯検挙人員は3年続けて増加しているが,少年比は成人検挙人員の増加に伴って低下している。
平成15年における殺人の検挙人員は96人,強盗の検挙人員は1,800人であった。強盗は,9年以降,高い水準で推移している。
平成15年における触法少年の一般刑法犯検挙人員は,2万1,539人で,うち凶悪犯によるものは,殺人が3人,強盗が29人であった。
参考
『女子少年院』 魚住絹代 角川書店 2003
http://www.moj.go.jp/HOUSO/hakusho2.html