ザスパ草津の経営」について

 

 

 

 

 

   

            

      103−455

       瓶子 俊介

 

 

 

 

 

 

 

T.チーム概要

1.チームの概要

.ベガルタ仙台

.ザスパ草津

 

2. ザスパ草津とベガルタ仙台の比較

(1).スタジアム

(2).チケット料金

(3).アクセス

(4).グッズ販売

(5).スポンサー

 

Uザスパ草津の経営を改善するためには

(1).ホームタウンの問題

(2).スタジアム、アクセスの

 

おわりに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

T.チーム概要

1.ザスパ草津(株式会社草津温泉フットボールクラブ)

1995年に専修学校の東日本サッカーアカデミーに所属する選手を中心として編成されたリエゾン草津フットボールクラブとして創設し、選手の育成や将来のJリーグ加盟を目的にしながら群馬県社会人リーグに所属していた。1999年に同アカデミーが閉鎖され、チーム解散の危機に立たされたが、選手が草津温泉宿泊施設などでアルバイトの斡旋提供を受けて働きながら練習を続け、チームを維持した。2002年に地元の将来のJリーグ入りを念頭においてチームの組織を一新、株式会社草津温泉フットボールクラブと法人化し、"これぞ温泉"を意味する「ザ・スパー(The spa)」から「ザスパ草津」というチームになった。

指導者として前モンテディオ山形監督の植木繁晴などを招いた。元日本代表の小島伸幸(元ベルマーレ平塚アビスパ福岡GK)、奥野僚右(元鹿島アントラーズDF、ザスパでは監督兼任選手)らを中心として、Jリーグでプレーしていたが戦力外通告を受けた選手を多く獲得した。選手が働いて得た収入をクラブ運営費に充てる方式を継続しながら、群馬県社会人リーグでの優勝と、関東リーグ2部への昇格を勝ち取った。2003年に日本サッカー協会が将来のJリーグ参戦を目指すチームのための優遇処置として設けた「飛び級制度」を適用して、関東社会人サッカー2部リーグから地域リーグ決勝大会に出場し見事優勝した。20048月、2005年からのJ2参戦を念頭において同9月までのJ2加盟申請を行うことを表明した。しかし、終盤は3位に転落し、成績上のJ2昇格ラインである2位以内は確保できなかったが、126日、Jリーグ臨時理事会でJリーグ・J2への参戦が正式に決定した。ちなみに3年間というスピードでJリーグにあがったのはザスパが最初である。

最近ではJサテライトリーグにも参加することになり、それに向けたチャレンジャーズチームを編成し、その合格者はアマチュア選手契約で出場する。このため、チャレンジャーズチーム登録の選手はやはり草津温泉の宿泊施設等でのアルバイト、かつ合宿(専用寮がある)をこなしながらプレーを行っている。(セレクションで合格すれば23歳以下なら誰でも入団できる。)

 

 

 

2.ベガルタ仙台(株式会社東北ハンドレッド)

ホームタウン宮城県仙台市。ホームスタジアムはユアテックスタジアム仙台20063月に"仙台スタジアム"から改称)。練習会場は泉パークタウン、泉総合運動場が使われている。チーム名の「ベガルタ」は七夕の「織り姫」と「彦星」とされる星の名前、「ベガ(Vega)」と「アルタイル(Altair)」を合わせた造語から作られた

前身は1988に創設された東北電力サッカー部。1994Jリーグ参戦を目指すことから運営法人「東北ハンドレット」を設立し、クラブチーム化。"ブランメル仙台"(後述)に改める。19951月に開かれた地域リーグ決勝大会で準優勝(優勝は福島FC)してJFLに昇格を果たす。JFL昇格当初は特にヴェルディ川崎の選手を中心としてチーム編成をしたものの、戦力の低下が激しかった。また当時のホームスタジアムだった宮城県サッカー場利府町)、宮城陸上競技場(仙台市)にナイター設備がないため、平日でもデーゲームを開催せざるを得ず、ファン確保の面でも苦戦を強いられた。

1996Jリーグ準会員承認。1997、ナイター設備も完備された仙台スタジアムが完成。これを機に、徐々にファンを拡大していった。1998健康食品メーカー「ジャパンヘルスサミット」がメインスポンサーとなったのを機に、同社の商品名「カニトップ」がユニフォーム胸部分に記されるようになる

1999Jリーグが2部制となったのを機に、J2Jリーグ2部)入り。クラブ名も"ベガルタ仙台"に改称する(「ブランメル」(英:Brummell, 伊達男)という名称が他社の商標であったため)。J2入り3年目の2001シーズンで2位となり、J1昇格を果たしたものの、昇格2年目の2003シーズンで全16チーム中15位に終わり、J2に逆戻り。同年シーズン終了を以って、「ジャパンヘルスサミット」がスポンサーから撤退。ユニフォームから「カニトップ」の名が消える。代わって、これまで準メインスポンサーとしてユニフォームの背中に広告を入れていた家庭用品メーカー「アイリスオーヤマ」がメインスポンサーに昇格。ユニフォームの胸部分に同社のロゴが記されるようになる。

2006年は終盤まで昇格争いをしながら最後に失速し今年も昇格を逃した。

 

 

 

 

 

 

 

U. ザスパ草津とベガルタ仙台の比較

今回同じJ2のチームであるベガルタ仙台とザスパ草津を比べることにより、J2の中では比較的成功しているベガルタ仙台とどのような要素が違うのかまたザスパ草津はどのような点がベガルタ仙台やほかのJ2のチームと比べて優位なのかを検証していきたいと思います。

まず比較する要素とは試合をするためのハードであるスタジアム、またチケット料金、アクセス、グッズ販売、スポンサーなどが挙げられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1)スタジアム

 

ユアテックスタジアム仙台

収容観客数/合計19,694
フィールド/天然芝(寒地型西洋芝4種混合)139m×79m

設備

1F 選手控室・ミーティングルーム
 ウォーミングアップ場・本部室
 審判室・医務室・カメラマン室
 プレスルーム・インタビュールーム
 事務室・エントランスホール
2F 券売所・売店
3F 来賓室・会議室
4F 放送調整室・記録室・中継室

座席数

メインスタンド

3,934席

バックスタンド

5,448席

サイドスタンド

5,158席

コーナースタンド

4,706席

特別席

188席

車椅子席

96席

記者席

128席

ロイヤルシート

36席

合計 19,694席

夜間照明施設

投光器 324器

競技表示板

大型映像装置17.00m×7.61m
 (スクリーン10.71m×5.67m)
 (塔時計、競技時計付)
得点表示盤5.58m×3.55m

上記のスタジアムはベガルタ仙台のホームスタジアムのユアテックスタジアム仙台です。このスタジアムは元来仙台スタジアムという名前でしたが、総合設備エンジニアリング企業のユアテックが命名権を仙台市から買ったためこのような名前がついています。施設としてはJリーグのほかのスタジアムと比べても遜色なく、グランドとスタンドとの距離があまり遠くないため、スタジアムでの応援に一体感が生まれています。収容人数は約2万人でベガルタ仙台の来場者平均が1万4千人から5千人なので、大きくはありませんが席が目立つことがなくスタジアムが綺麗に見えなおかつサポーター同士の距離も近いので応援にも熱気がこもっています。

 

 

群馬県立敷島公園県営陸上競技場

 

 

グランド面積 12,421平方メートル

収容観客数 12、000人

メインスタンド 収容人員:7,345
バックスタンド 収容人員:2,843
芝生席     収容人員:5,212

大型掲示盤
 磁気反転式(W24.0m×H9.8m)
夜間照明塔 4基

 

上記の敷島運動公園陸上競技場はザスパ草津のホームスタジアムとして使われています。しかしサッカー専用の施設ではないため、コートの周りにトラックがあり選手と観客の距離が遠く、また観客席にすべて椅子が設置されていないという他のスタジアムと比べてデメリットがあるといえます。

 

次にチケットの価格について見ていきたいと思います。

2チケット価格

ベガルタ仙台

【ユアスタ】

券種

前売

当日

SS指定席

4,000

4,500

S指定席

3,000

3,500

A指定席北

2,700

3,200

ファミリー自由席大人

2,100

2,600

ファミリー自由席小中学生

600

600

サポーター自由席大人

2,300

2,800

サポーター自由席小中学生

800

800

自由席南大人

2,000

2,500

自由席南小中学生

800

800

ビジター自由席大人

2,000

2,500

ビジター自由席小中学生

800

800

 

 

ザスパ草津

【群馬陸】

券種

前売

当日

Sゾーン(一般)

3,000

3,500

Sゾーン(小中高シルバー)

2,000

2,500

Mゾーン(一般)

2,000

2,500

Mゾーン(小中高シルバー)

1,000

1,500

B-Hゾーン(一般)

1,500

2,000

B-Hゾーン(小中高シルバー)

500

1,000

B-Aゾーン(一般)

1,500

2,000

B-Aゾーン(小中高シルバー)

500

1,000

          

二つのチームのチケットの値段を比較してみるとおなじJ2のチームでも同じカテゴリーの席でも1000円ぐらいの差がある。これは人口やサポーターが根付いているということ、ハードやソフトの面でこのような差が生まれている。ちなみにベガルタ仙台の年間平均観客数は1万5千人なのに対して、ザスパ草津は5千人ぐらいなので単純にチケットの利益を考えても3倍の差が表れている。

 

 

J2クラブ別入場者数

 

 

 

 

入場料収入(クラブ平均)の推移

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3アクセス

三番目にスタジアムまでのアクセスについて考えてみたいと思います。

敷島公園

               

 

 

電車利用の場合
 JR高崎駅西口から :片道500円
 JR前橋駅南口から :片道240円
 JR新前橋駅西口から:片道260円
 JR群馬総社駅から :片道250円
 JR渋川駅から    :片道570円
マイカー利用の場合(パーク&ライド形式)
 県総合スポーツセンター駐車場から:片道290円
 中央大橋西駐車場(グリーンドーム利根西側駐車場のことです):片道200円

 

定額タクシー

JR高崎駅東口・西口  :片道 中型3400円 小型3200円
JR
前橋駅北口・南口  :片道 1200円
JR
新前橋駅東口・西口 :片道 1400円
JR
群馬総社駅      :片道 中型1000円 小型900円
中央前橋駅(上毛電鉄):片道 800円

  県総合スポーツセンター駐車場:片道1000円
  中央大橋西駐車場(グリーンドーム利根西側駐車場):片道 中型900円          小型800円
  市営城東立体駐車場  :片道 800円

高速道路
関越自動車道を利用して来られる方々には、
ETC
あり  関越自動車道・駒寄PAのスマートICで降りる 上毛大橋を渡る  総合スポーツセンターに駐車
ETC
なし  関越自動車道・前橋ICで降りる  前橋市街地方面に進み、利根西駐車場(中央大橋西側駐車場)に駐車

ユアテックスタジアム仙台

 

SendaiSubway

 

 

JR仙台駅より地下鉄乗車、泉中央駅下車 徒歩4分。

地下鉄

泉中央

2
1.2
km

4
2.5km

5
3.3km

7
4.3km

9
5.4km

11
6.6km

12
7.3km

14
7.9km

15
8.5km

八乙女

2
1.3km

3
2.1km

5
3.1km

7
4.2km

9
5.4km

10
6.1km

12
6.7km

13
7.3km

黒松

1
0.8km

3
1.8km

5
2.9km

7
4.1km

8
4.8km

10
5.4km

11
6.0km

旭ヶ丘

1
1.0km

3
2.1km

5
3.3km

7
4.0km

8
4.6km

10
5.2km

台原

2
1.1km

3
2.3km

5
3.0km

7
3.6km

8
4.2km

北仙台

21.2km

3
1.9km

5
2.5km

6
3.1km

北四
番丁

1
0.7km

3
1.3km

4
1.9km

勾当台
公園

1
0.6km

3
1.2km

広瀬通

1
0.6km

仙台

 

1
200

(100
)

2
240

(120
)

3
290

(150
)

4
320

(160
)

5
350

(180
)

 

東北自動車道「泉I.C.」から車で約30

 

宮城県ラジオマップ

 

 

 

比較

 ザスパ草津とベガルタ仙台のアクセスについて考えてみると、ザスパ草津に関しては、前橋駅や市街地から少し離れているため、徒歩でスタジアムに行くのは難しい。群馬県は交通網の整備が遅れているのでバスの利用もなかなかしづらい。しかし日本一の車の保有している県なので車でスタジアムに行きたいと思っている人が多いが駐車場の台数も決まっているので、シャトルバスやパークアンドライド方式が導入されている。

 ベガルタ仙台のアクセスについて考えてみると地下鉄を降りると徒歩3分くらいなのでアクセスに関してはしやすい。しかし車で行こうとすると駐車場の台数が少ないので止めにくいのが問題といえる。

ベガルタ仙台とザスパ草津で年間3倍もの観客の差が出るのにもアクセスの要因が少なからず絡んでいるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

4グッズ販売

ベガルタ仙台オフィシャルショップ

 

カーサベガルタ

 

カーサベガルタ

仙台市泉区泉中央1-19-1 遊食館2ビル Tel:022-218-2377
営業時間:11:0019:00 定休日:月曜日、火曜日
!

 

カーサベガルタ店舗

 

カーサベガルタ店内

 

 

 

オーレ・ベガルタ

 

オーレ・ベガルタ店舗

仙台市青葉区中央2-10-24 仙台市ガス局ショールーム
ガスサロン内 Tel:022-264-3240
営業時間:9:0019:00 定休日:毎月第4月曜日 年末年始
 

 

オーレ・ベガルタ店内

 

 

 

 

宮城県庁内総合売店(2階)
仙台市青葉区本町3-8-1 TEL:022-211-3872
営業時間:8:3017:30 定休日:土・日・祝日
109シネマズ富谷 
オリジナルタンブラーのみ取り扱い 
宮城県黒川郡富谷町富谷字大清水上33街区1画地 イオン富谷ショッピングセンター別棟
TEL:022-358-2109
営業時間:9:0022:00 定休日:なし

オンラインショッピング

アパレル

サポーターズグッズ

アクセサリー

文具&バラエティー

食器&書籍

 

ザスパ草津オフィシャルショップ

 

ザスパーク前橋
・ 大型スクリーンによるザスパの試合放映
・ 選手紹介コーナーの設置
・ オフィシャルグッズの販売
・ 県内の観光情報コーナー等の設置
 ザスパーク前橋は、ザスパ草津の情報はもとより、県内の観光・イベント、商店街等の情報を発信することにより、サポーターをはじめ、市民誰もが気軽に立ち寄れる中心市街地の新たな拠点を目指してい

 

通常 11時から17時まで営業 定休日:月曜日 電話:027-231-3338
場所:にぎわいステーション(前橋市千代田町二丁目8−22 にぎわい観光課隣り)

ザスパーク前橋

比較

グッズ販売に関していうとザスパ草津のグッズが買えるところがまだベガルタ仙台と比べて少ない。またオンライン販売も行っていない。グッズの種類に関してはベガルタ仙台と比較しても遜色ないぐらい揃っているといえる。

(5)スポンサー

 

ベガルタ仙台

 

ユニフォームスポンサー

 

ベガルタ仙台06 ユニフォーム ホーム 半袖

アイリスオーヤマ株式会社

 

株式会社廣済堂

 

株式会社七十七銀行

 

プラザ予備校グループ

 

 

オフィシャルスポンサー

東北電力株式会社

 

株式会社河北新報社

 

仙台CATV株式会社

 

 

 

ユニフォームサプライヤー   

株式会社アシックス

 

 

 

 

ドリンクサプライヤー

仙台コカ・コーラボトリング株式会社

 

その他出資企業 110社

その他協賛企業 175社 

 

 

ザスパ草津

 

ユニフォームスポンサー

          

  

ベイシア メガネのイタガキロゴ

 

(株)グローバルピッグファーム

 

 

 

 

オフィシャルスポンサー

 

群馬ヤクルト販売株式会社 株式会社SANWA KBIX ユナイテッド航空 NEXSUS

コダック キリンビバレッジ キリンビール キリンビール

本家温泉ちちやまんじゅう

 

その他スポンサー 70社

 

アシストカンパニー制度

 

1口 20,000円

ブロンズ(1口〜)シルバー(2口〜)ゴールド(5口〜)プラチナ(10口〜)

 

特典

 

プラチナ、ゴールド会員限定

選手サイン入りボール進呈

指定ロゴ・エンブレム使用権(事前の必要あり)

 

全会員共通

チケットM席5枚進呈

呼称使用権

ホームページに社名掲載

スタジアム入り口パネル社名掲載

公式バナーでのリンク可

オフィシャルポスター進呈

マッチデープログラム社名掲載

当日チケット割引購入(500円割引)

アシストカンパニー会員証発行

団体特別割引対応

比較

スポンサーについてみてみるとベガルタ仙台はブランメル時代からのスポンサーとベガルタ仙台になってからのスポンサーで固められている。反対にザスパはまだ新しいチームなのでなかなかスポンサーが固まらず、毎年あたらしいスポンサーがついてくれるという状態である。どちらのチームにも地元の企業が支援してくれているのでJリーグの目標とする地域密着は徐々に根付いているといえる。

ザスパのスポンサー集めの特徴として個人や中小企業からもスポンサーを募り1口から10口でスポンサーを位わけしているということである。確かにメインスポンサーがまだ広告としての価値がうすいザスパに多額の支援はできないので個人や中小企業からこのような形で行うことはよい資金集めになると感じた。

 

 

 

 

V.ザスパ草津の経営を改善するためには

ザスパ草津のSWOT分析

 

 

内部環境

外部環境

 

 

プラス

強み(strength)

ホームタウンが温泉地

チケット価格が安い。

ホームタウンが草津。

機会(opportunity)

ほかにプロスポーツチームが存在しない。

高校サッカーが盛ん。

 

 

マイナス

弱み(weakness)

スタジアムの規模

アクセスの問題

大きなスポンサーが少ない

ホームタウンが草津。

脅威(threat

他のJクラブ

またはアルテ高崎 

図南SC

 

 

 

1.ホームタウンの問題

 ザスパ草津は草津をホームタウンとするリエゾン草津を母体としてできたチームだ。しかし3年という短い歳月でJ2に昇格したこともあり、他のJリーグのと比べて、基盤やシステムが脆弱であることは、J2の中でも優良クラブであるベガルタ仙台と比べても明確に現れていると考えられる。

 まずそもそも草津町にホームタウンを置いているのであるが、試合をするのは、前橋にある敷島公園県営陸上競技場でホームゲームが開催されているという現状がある。それは草津町にJリーグの規定を満たすスタジアムがないのが主な理由であるが、練習もトップチームが草津で行わず、果たして草津町がホームタウンと主張することができるのかは疑問である。今草津町で活動しているのは、チャレンジャーズチームの選手で草津の旅館で働きながら練習や試合を行っている。草津町民の中には、トップチームが前橋に降りて、草津に全然来ないことに反感を持っている人もいる。確かにザスパ草津は前橋もホームタウンにしているが元々は草津で活動しているチームなので、草津町民からしたらおかしいという気持も出て当然だと考えられる。現状ではこのようなことが起きているが、このねじれ現象を直さなくてはザスパが地域に根付くことはであろう。逆にこのねじれをうまく利用することができれば、ザスパ草津にとっても草津町民にとってもよい状況になると考えられる。

 それはホームゲームを草津町で開催することである。今はJリーグの規格にあるスタジアムはないが、JFL時代に仮設スタンドを作ったようにJリーグ規格のスタジアムを作る。そこで試合をすることにより草津町の旅館に宿泊する宿泊客を囲い込むことができれば、草津町にとっては大きな利益になりうるし、ザスパ草津にとっても、地域密着の実現とザスパ草津の特色作りに成功するのではなかろうか。

 そこのターゲットはこれから退職する団塊の世代より上に設定し、チケット料金、宿泊料、草津町にアクサスするためのシャトルバスの乗車料金をパックにして、トータルで割安感を出すことによってザスパ草津と草津町に利益を落としてもらうようにできたらいいと思う。

 

 

 

 

2.スタジアム、アクセスの整備

 ザスパ草津は現在敷島公園県営陸上競技場をホームスタジアムとして利用しているが、このスタジアムはサッカー専用ではないためトラックがあったり、スタンドがメインスタンドしかないため、サッカーのスタジアムとしての雰囲気づくりができていないといえる。また収容人数も6000人ぐらいで充分にスタジアムの席がないところが多々存在するので、入場料もあまり多くは見込むことはできない。だからこそスタジアムを新築又は敷島公園県営陸上競技場を改築する必要がある。

 またアクセスに関しても駅から遠く、群馬県の交通網から考えても別の場所にスタジアムを移したほうが集客力が上がることは明白な事実である。ベガルタ仙台しかりJリーグのホームスタジアムの所在地は駅の最寄であることが多い。だからこそザスパ草津には新しいホームスタジアムを駅の最寄に作る必要がある。候補地としては、高崎競馬場跡地がもっとも有力な土地ではないだろうか。現在高崎はザスパ草津のホームタウンには入っていないが、競馬場跡地の広大な敷地とスタンド、また署名活動が行われていることを考えると条件としてはもっともよい。ちなみに競馬場をサッカーのスタジアムに変えるには総額20億円ほどかかると署名活動の代表の方から教えていただいた。このようにお金がかかることなのですぐには動くことはできないだろうがこれからのザスパの発展を考えると近いうちに移転したほうがよいと思われる。

 

おわり

本稿ではザスパ草津について調べたわけであるが、経営を行うえで自分が考えていた以上にいろいろな要素が存在することを知った。その中で自分が調べられる範囲で書いたので、ザスパ草津の経営のほんのさわりといったところしかできなかった

Jリーグに加盟するチームはJ2が18チームになるまで増え続けていくと今後考えられるが、ザスパ草津のようなケースというのはこれからも出てくるので、考察していきたい

 

参考文献 サッカーがやってきた ザスパ草津の実験 辻谷 秋人

      生活人新書 2005年4月10日

     プロスポーツクラブのマネジメント    武藤泰明

      NHK出版   2006年6月8日

 

参考URL

     Jリーグ http://www.j-league.or.jp/

      ザスパ草津ホームページ http://www.thespa.co.jp/

ベガルタ仙台 http://www.vegalta.co.jp/