2005/06/10

中村 朋文

投資信託@

投資信託とは、多くの投資家から集められたお金を一つにまとめ、運用の専門家であるファンドマネージャーが証券・金融市場などで運用し、その成果を投資家に還元するしくみの金融商品です。 運用対象は、国内の株式や国債・社債などの公社債ばかりでなく、デリバティブ(金融派生商品)、為替市場、不動産市場、さらにはアジアや欧米など世界中の金融・証券市場にまで広範にわたっています。個人が自分の注目する金融市場に気軽に、それほど大きな資金でなくても投資することができ、しかも、運用を専門家に任せることのできるのが「投資信託」です。

 

メリット

@     小口の資金でスケールの大きな投資ができる。

 一つの投資信託で集められるお金は、数十億円から数千億円にもなります。 そのため、個人の投資家は小口の資金で分散投資(世界各国の市場など)を行いながら、スケールの大きな投資ができます。

A     運用は専門家が行う

 投資信託の場合は、投資家に代わって専門家(ファンドマネージャー)がさまざまな手法を駆使して運用します。個人が独自の判断で行うレベルとは異なる運用成果を期待できます。

B     いろいろ選べる

 一口に投資信託といっても、運用対象や投資手法の違いによって実に多くの商品があります。安全性重視のものから、ハイリスク・ハイリターンのものまで、資金の性格や資金の計画に応じて、選択することができます。

 

デメリット

@       運用会社に意思決定を委ねるために、手数料がかかる。

 運用会社に投資の意思決定を委ね、資産の管理を信託銀行に任せるために「信託報酬」という手数料を取られることになります。また、売買するときに、販売者に対して「販売手数料」を支払わなければなりません。さらに、収益の分配金に対して「税金」がかかります。

A       組み入れ銘柄が分からない

 運用を任せるということは組み入れ銘柄に対して、投資家としての意思を反映させることができません。

 

 

投資信託の仕組み

多くの投資家から集められた資金は、販売(証券会社など)、運用(委託者=投資信託会社)、保管・管理(受託者=信託銀行)と、それぞれ専門機関が役割を分担し、厳正で効率的な運営を行っています。

 

販売(証券会社など)

投資信託の購入や換金、および分配金・償還金の支払いなどは、証券会社など各販売会社を通じて行われます。また、投資信託に関するいろいろな質問や相談も受け付けており、投資家と投資信託をつなぐ「窓口」となっています。

 

運用(投資信託会社)

信託財産の実質的な運用の指図を行います。常にグローバルな観点から経済・金融情勢などに関するさまざまなデータを収集・分析し、専門的なノウハウを駆使しながら効率的に資金を運用します。

 

保管・管理(信託銀行)

投資家から集められた資金は、投資信託会社と信託契約を締結した信託銀行が信託財産として安全に保管・管理し、信託財産の安全が図られるようになっています。

 

http://www.nifty.com

http://www.skc.or.jp  日本証券業協会