2005/06/03
中村 朋文
仕手株
株価を意図的に吊り上げようとする不自然な力が働いている特定の銘柄のこと。本来株価というのは企業価値に基づいて形成されるものだが、一般の投資家グループが強引に資金量だけで株価を買い上げる。そして値段を吊り上げて高値で売却します。買い上げる人たちを仕手筋と呼ぶ。
狙われやすい銘柄
低位株(株価500円以下)→株価が安いほど買い集めやすい。
浮動株(安定した株主が保有している株ではなく、マーケットで流通し売買される株のこと)が少ない→株を支配できるから
狙われやすい時期
株式相場が閑散としている時期
一連の流れ
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浮動株の何割かを、仕手筋は半年から一年かけてこっそりと気づかれないように買い集める。→品薄状態になるほど、値段がどんどん上がりやすくなるため。
A 相場を試す
→ここまで株価を上げたらどのくらい売りが出てくるかをということを試す。
B 本格的に仕手株を仕掛ける
→仕手筋が大量の株式を買い入れる
C 個人投資家を巻き込む
→個人投資家を巻き込んで初めてひと相場生まれる。
D 売りに入る
→実際、仕手筋はターゲットを決めて売り抜けるが、仕手株が途中で崩壊するケースもある。理由はたいてい仲間割れ
兼松日産農林は1995年に約1年間で株価が400円から5000円まで上昇。2005年、コープケミカルは約2ヶ月で150円から300円まで上昇。最近はネット証券の利用者が急激に増加したことや株式を5%以上保有した場合に株式大量報告書として、財務省に届け出なければならない『5%ルール』の存在により仕手株を仕掛けることは短期で行われます。
ダイヤモンドザイ 2005年7月号 ダイヤモンド社