2005/10/07

中村朋文

カネボウ再建問題

2004年3月10日、カネボウは2003年9月期にアクリル撤収費用や過剰在庫の損失を計上した結果、629億円の債務超過となり(後に決算修正により2004年3月期には3553億円の債務超過であったと発表)産業再生機構への支援の申し込みをして、支援決定の通知を受けたと発表しました。事業計画等の概要、代表取締役会長兼社長帆足隆氏を含む取締役8人の辞任等も合わせて発表しました。

<分離して設立する化粧品新会社への投融資とともに、繊維などが残る本体への支援。5月に新会社へ総額3660億円を投入する。再建に向けた事業撤退などによって04年3月期決算で約2000億円の特別損失を計上する。カネボウ本体は上場維持して、5月をめどに再建策を打ち出す。>

 

2004年5月31日 カネボウ本体の事業再生計画を発表

 

2004年8月10日 経済産業省と厚生労働省に産業活力再生特別措置法(産業再生法)の適用を申請した

2004年8月17日 経済産業省はカネボウ社の事業再構築計画を認定したと発表 

 

2004年10月28日 旧経営陣の一部が裏金を捻出、粉飾決算にも手を染めていた実態が明らかに

2005年6月6日   カネボウ化粧品を引受先とする総額200億円の第三者割当増資を実施すると正式に発表した。カネボウとカネボウ化粧品は一体再生を目指し、商品開発や販路利用を軸に業務提携することも決めた。

2005年6月14日  産業再生機構はカネボウの経営再建で来春に決める支援企業の選定で個人株主などから一定の価格で株式を買い付けるTOB(株式公開買い付け)を実施することを条件にする方針を固めた。

2005年8月15日  カネボウとカネボウ化粧品の売却先選定に向け1次入札を実施。花王のほか、ロッテ、投資会社の日興プリンシパル・インベストメンツ、米金融大手のゴールドマン・サックスなどが応札した。

2005年8月24日  売上高が1030億1000万円、営業利益が90億6300万円となったと発表

2005年9月27日  2次入札を締め切る。

 

 ただここに来てフランスの化粧品大手のロレアルや米金融大手のゴールドマン・サックス

がカネボウの売却に向けた入札に参加しないと表明した。日本の資生堂も参加を見送るな

どカネボウ再建に向けさらなる不安材料も出てきた。

 

 

<参考URL> http://www.nikkei.co.jp  NIKKEINET 

              http://www.asahi.com   asahi.com