2005/05/13
中村朋文
M&Aについて
M&Aは、Mergers and Acquisitionsの略であり日本語に訳すと企業の合併、買収という意味になります。しかし通常は企業全体の合併、買収だけでなく一部営業譲渡や資本提携なども含めた広い意味での企業提携のことを総称します。
M&Aの目的
<1> 新規分野の進出
<2> 買収企業による既存分野及び関連事業の強化
<3> グループ再編
<4> 関連会社持ち株比率の引き上げ
M&Aの形態
合併
合併は、複数の会社が合体して一つの会社になることで、新設合併と吸収合併があります。新設合併はA社とB社が合体してC社という新会社をつくる方法で、吸収合併はA社がB社を吸収して合併する方法。コストや時間の面でメリットがあるため、通常は吸収合併の方法がとられます。
株式移転
既存の会社(A社)が100%親会社(X社)を設立する制度で、A社の株主はX社の設立時にA社株式を提供し、交換にX社の株式を受け取ることにより、X社の株主となること。M&Aにおいては、複数の株主が共同して株式移転を行うことで、複数の会社を持ち株会社の下の子会社として統合する方式として用いられます。
株式交換
買収に際して、子会社になる会社の株主から株式のすべてを親会社になる会社がうけとり、それと交換に親会社となる会社の株式を子会社になる会社の株主に渡すことで、100%親子会社関係を構築すること。
営業譲渡
企業が行っている事業そのものを、買い手に譲渡する方法。一部門だけの譲渡もすべての事業を譲渡することも、どちらも可能です。
新株引受(第三者割当増資)
売り手企業が新株を発行し、それを買い手企業が引き受け、大株主となることで経営権を取得すること。
他にも株式譲渡、買収、合弁会社設立などがあります。
M&Aのメリット(買い手)
(1) 既存事業の拡大や事業の多角化ができる。
(2) 時間を買うことができる。
M&Aを行えば、自社で一からヒト、モノ、カネを投入して、事業を立ち上げる時間と労力を省くことができ、機動的に新分野への進出などを行うことができる。
(3) 投資コストが少なく、リスクが少ない
M&Aで買収したのと同じ規模の企業や商圏をすべて自前で整えようとすれば、時間ばかりか、はるかに大きなコストがかかることも少ないことから、M&Aは初期の投資コストが安いというメリットがある。また、既存企業の買収ということで、売上、利益などの動向も読みやすいことから、新規立ち上げに比べリスクが低い。
売り手のメリット
(1) 後継者対策となり、会社が存続する
(2) 企業体質の強化につながる
M&Aで大手企業の傘下に入れば、販路の拡大や円滑な資金調達、社内体制の整備など、自社の弱い点を補うことができ、企業の体質の強化につながります。
<参考URL>http://interlink-ma.co.jp