食品業界について
2006年12月に日清食品(株)が明星食品(株)に対するTOBを行い成功したと発表しました。発行済み株式数の86.32%の応募があり、日清食品は全株買い上げ、明星食品を子会社します。
<経緯>
米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドが10月に明星食品に対しTOBを実施すると発表したのが発端。元々、スティールは明星食品の発行済み株式を23.1%保有する筆頭株主。
<TOBについて>
TOBの買付け価格はスティールが700円であったのに対し日清食品は870円でした。スティールは明星食品に対するTOBは失敗でしたが、日清食品側のTOBに応じ保有する明星食品株をすべて売却しました。約36億円の売却益を得ました。
<両者の株価>
スティールがTOBを発表した10月27日には株価が前日の609円から100円上昇の709円でした。さらに日清食品がTOBを発表した11月15日には前日から100円上昇の861円となりました。現在でも820円とTOB発表前よりも高めに推移しています。一方、日清食品の株価も発表翌日の11月16日には前日比190円高の3630円となり現在でも4250円と日経平均の上昇率3.6%を上回る23.5%とこちらも高めに推移しています。
<日清食品と明星食品>
即席麺のシェアは日清食品が39.9%、明星食品が10.6%、合わせて50.5%となり市場シェアの過半数を占めます。日清食品の2006年中間期決算において日本国内の売上高は微減。北米市場において売上高は増加したものの、原材料の増加等で営業利益は減益でした。即席麺事業は前年比1.6%増の1185億円でした。明星食品の2006年決算において即席麺事業は前年同期比5.5%増の673億円でしたが、外食事業は前期比6.6%減の108億円でした。共通の課題として原材料費の高騰、消費者の低価格志向、少子高齢化があげられます。
ここ数ヶ月、水産最大手のマルハグループが同3位のニチロと経営統合すると発表し、キリンビールがワイン市場業界2位のメルシャンと業務・資本提携することで合意するなど今後は食品業界で多くの提携が行われると思われます。
<参考URL>http://www.nissinfoods.co.jp/ 日清食品株式会社
https://info.edinet.go.jp/EdiHtml/main.htm EDINET
http://quote.yahoo.co.jp/ Yahoo!ファイナンス