WAX 〜必要性〜
1.ワックスと板の劣化の関係
皆さんはこまめにワックス掛けを施してある板と、全くと言っていい程ワックス掛けが施されていない板を見比べたことがありますか?こまめにワックス掛けが施された板のソールを見てみると、買った時と何ら変化が無くまさに新品同様です。しかし、ワックス掛けを全く行っていない板のソールを見てみると、全くスノーボードに興味の無い方でも、ソール全体が白くなっていることがはっきりと判ります。特にエッジ付近は圧力がかかるので白くなりやすいのです。この様にソールが白くなっているということは板が劣化しているということを示しているわけです。
2.ワックスの真の意味
1で述べた板の劣化以上にワクシングの必要性とは『撥水性』です。板の撥水性は滑りに影響してくるのです。そもそもスノーボードの原理とは、滑走面と雪面の間に生じる摩擦熱によって溶け出した雪、つまり水分がコロの役割を果たすことによって板が動き出すのです。その水分をはじくためにワクシングを行うのです。しかし、雪温が低いときは雪が水分に変化しないため雪の結晶が滑走面に引っかかってしまうのです。同様な状態がアイスバーンです。アイスバーンの結晶は針状なので特に板に引っかかりやすいのです。このような状況の打開策の一つがワクシングなのです。雪の引っかかりを軽減するためには硬いワックスを塗っておかなければならないのです。
急斜面ではライダーのテクニックが必要ということは分かるかと思います。しかし、緩斜面での滑走を考えた場合最も重要なのはワックスなのです。なぜならば、緩斜面ではスピードを生かす方法がワックス以外に何も無いからなのです。
【補足】
硬いワックスとはワックス自体の粒子が小さく(硬く)、低温時の雪は硬いので硬いワックスでないと摩擦の軽減が不可能。逆に柔らかいワックスの場合、高温時なら十分に摩擦の軽減が可能。
*参考図書 「Snow Boarder 2004 vol.7」 実業之日本社 発行