補強材

 

1.特性

  下の図は一般的なグラスファイバー、カーボン、ケブラーの性質をまとめた表です。「重さ」は一立方あたりの重さ、「引っ張り強さ」とは断面積一平方mmの棒を引っ張って切るために必要な力を示し、「伸び」とは切れるまで何%伸びるかということを示しています。

  ここで「弾性率 (剛性率)」というのは耳慣れない言葉かと思います。これは、一mm角(断面積一平方mm)の棒を二倍の長さに伸ばすとしたら、何kgの力で引っ張ればいいかということです。

  ただし、実際は表中の素材はゴムではないので二倍も伸びず、一〜二%伸びると切れてしまいます。一%伸ばすには表の弾性率の百分の一の力でいいということになります。そしてこの数値が大きいほど変形しにくく硬い素材ということになります。

 

材料

GFRP

CFRP

KFRP

クロモリ

アルミ合金

重さ

引っ張り強さ

弾性率

伸び

120

4200

.9

.6

180

12800

.4

.4

150

8000

.9

.8

140

21000

.7

.8

58

7200

.8

*GFRP:ガラス繊維強化プラスチック

 CFRP:カーボン繊維強化プラスチック

 KFRP:ケブラー繊維強化プラスチック いずれも繊維量は60〜65%

 

2.表から

@グラスファイバー、カーボンファイバー、ケブラーを使ったFRP(繊維強化プラスチック)は強度的にはほぼ同じですが、カーボンやケブラーはアルミより大きくほとんど金属といえます。

Aカーボンは強いけれども小さな変形で壊れてしまうという面もありますが、この剛性の高さが大きな特徴です。

Bケブラーはグラスファイバーとカーボンの中間の強度・剛性ですが、重量はもっとも軽いということがわかるかと思います。

 

ただし、グラスファイバーのコストを1とすると、カーボンは6、ケブラーは10となりコストの面で大きな差が出てきてしまいます。さらにケブラーに至っては圧縮した場合の強度が弱く扱いにくいという点もあります。

*参考図書 「実用 スノーボードの科学 U 用具&ワクシング編」

       藤井徳明著 スノーボードニッポン編集部