ブランドにおける市場認知度とそのプロダクト
現在、スノーボードブランドは数多く存在し、我々ライダーという立場の消費者からすると各ブランドの性能、デザイン、そしてそれらのプロダクトにおけるコンセプトなど、ブランドに対して多くのことが理解し難いというのが現状です。
*今シーズン期待するブランド
1.BURTON 28%
2.VOLCOM 10%
3.SALOMON 8%
4.YONEX 7%
5.FLUX 6%
6.SAVANDER 5%
眞空雪板等 (マクウセッパントウ) 5%
ROSSIGNOL 5%
*TRANSWORLD SNOWBOARDING調べ (対象100人、複数回答あり)
1.ブランド期待度からわかること
@トータルギアブランド支持が少ない
提示した八個のブランドの中でトータルギアブランドはBURTONとYONEXのみで、VOLCOMはウェア、SALOMONは板とバインディング、FLUXはバインディング、SAVANDER、真空雪板等、は板専門ブランドです。このことからわかることはライダー達がブランドに求めていることは、プロダクトコンセプトを極め、より良いギアを出してほしいということではないでしょうか。
A国内ブランド、海外ブランド
実に興味深いことに提示したブランド八個のうち、国内ブランド四個、海外ブランド四個という内訳になっているのです。近年、国内ブランドギアの性能が著しく伸び、またそのフィールドを日本の雪質に合わせているため、ライダー達の国内ブランド支持が多くなってきているのだと思われます。
では、今シーズンライダー達が最も期待しているBURTONの注目新作ギアについて説明していきたいと思います。
1.BURTON
今シーズンは四つの日本限定モデルを発売すると発表しました。その日本限定モデルについて説明したいと思います。
T、INSPIRATION
あらゆるシチュエーションに対応できるBURTONの持つテクノロジーが詰め込まれたボード。無駄が無くきれいなターン性能を持つスリムなウェスト幅に、高いフレックス性を合わせることであらゆるライディングが可能。また、プレッシャーディストッリビューションエッジがどんな雪面でもしっかりグリップしてくれる。
・BURTONテクノロジー:シンタードWFOベース、デュアルラップライトトライアックス・ファイバーグラス、カーボンIビーム、ドラゴンフライコア、マルチゾーンEGD、プレッシャーディストッリビューションエッジ、インフィニットライド、プログレッション構造
U、….5
日本限定モデルの中で一番目立ち、独特のシェイプと独創的なグラフィックを持つ。一見パウダーボードとも思える奇抜なツインチップは、どんな状況でも対応できることが多くの日本人ライダー達によって実証されている。
・BURTONテクノロジー:シンタードビジョンベース、バイアックス・ファイバーグラス、スーパーフライコア、デュアルゾーンEGD
V、ODB
シンタードWFOベースによって滑走性能を高めながらも、安定度においても非常に優れたボード。強力なエッジホールドと扱いやすさを重視したフレックス、オーリーを完璧にサポートするテールなど、パークやハーフパイプなどのライディングパフォーマンスを究極にサポートできる一本。
・BURTONテクノロジー:シンタードWFOベース、ライトトライアックス・ファイバーグラス、カーボンIビーム、デュアルゾーンEGD、インフィニットライド、プログレッション構造
W、AVENUE
日本女性ライダーのためにすべての地形に対応できるように考えられたボード。扱いやすいフレックスやクイックターン性能などが日本女性ライダーによって提案され、日本人の体型や脚力などを計算され作られたボード。
・BURTONテクノロジー:シンタードビジョンベース、ライトトライアックス・ファイバー、スーパーフライコア、デュアルゾーンEGD、プログレッション構造
2.BURTONテクノロジーとは
@シンタードWFOベース
最高品質のシンタード素材を使用しあらかじめ二種類のワックスを浸透させておくことにより、ソールのベース自体を出荷の段階でチューンナップ。
Aシンタードビジョンベース
透明度の高いシンタードベースを使用することによって滑走性はもとより、汚れのつきにくい仕上がりとなっている。スピードとライディングパフォーマンスは向上し、ストレスを感じることなくライディングが可能となった。
Bデュアルラップライトトライアックス・ファイバーグラス
ノーズからテールに向かって縦方向に走る二層のファイバーグラスと、斜め方向に走る二層のファイバーグラスをサンドイッチ状に重ねてもの。ボード自体の感覚がノーズからテールまで一体化するためレスポンスと強度が向上。
Cライトトライアックス・ファイバーグラス
ノーズから縦方向に走る一層のファイバーグラスを、斜め方向に走る二層のファイバーグラスが覆うという構造。左右のねじれとトーションが強くなるため、正確なターンと優れたエッジホールドが可能となった。
Dバイアックス・ファイバーグラス
ボードのノーズからテールにかけて走るファイバーグラスと、それと垂直になるように走っているファイバーグラスの二つを配置。柔軟性のあるボードフレックスに柔らかなトーションとエッジホールド。
EカーボンIビーム
カーボンをIの字になるように配置。これによりボードのレスポンスを究極に高めている。また、軽量なカーボン素材を使っているため、ボードの操縦性の向上となった。
Fスーパーフライコア
硬いウッドと柔らかいウッドを組み合わせることによって極限の軽量化に成功。さらに、サンドイッチ構造にすることによってボードのレスポンス性を向上させ、その結果、ハイレベルなトリックやハイスピードのランディングも簡単にこなせる仕上がりとなっている。
Gドラゴンフライコア
五百以上にも及ぶラミネートされた構造がハイパワーと軽量化を成功させた。また、コアの各ピースの配置が驚異的な重量対強度の比率を成しているためハイパフォーマンスが可能となっている。
HデュアルゾーンEGD
EGDとはコアとなる心材の中で木目を異なる角度、異なる方向に走らせることにより優れたエッジホールドと耐久性を実現させたもの。このデュアルゾーンEGDは、前後のバインディング下の部分の木目をウッドコアと垂直になるように配置しエッジホールドを実現させた。
IマルチゾーンEGD
木目をウッドコアと垂直になるように配置。フレックスコントロールが優れているため、ターンなどのボードの取り回しを非常に楽で正確に行うことができる。
Jプレッシャーディストリビューション
前足と後ろ足のバインディングの下の部分のエッジを0.5mm大きくすることによってエッジプレッシャーを最大限に引き上げた。硬く凍ったアイスバーンでも抜群のグリップ力でライダーをサポート。
Kインフィニットライド
ボードは長い間負荷がかかってしまうことで、そのもの自体の特性も変化してしまうことがあるが、このインフィニットライドのテクノロジーは製造工程の段階ある程度ボードに負荷をかけておき、長年にわたってボードが元のままの形状と性能を維持できるようになっている。
Lプログレッション構造
軽量と効率性が考えられたノーズとテールを持つ構造。このため、ターン時やトリック時のボードの取り回しが非常に軽くなり、また衝撃吸収性も高い構造性となっている。
3.まとめ
ここ最近のギアの流れとして、操縦性を重視するというボーダーの増加によりスノーボード市場もその影響を受けています。今回示したBURTONテクノロジーを見ても、コアの軽量化を計ったり、グラスファイバーの配置を変えボードの操縦性を向上させたりと、ボードの扱いやすさを重視した構造を作り出しています。このことはBURTONに限った話では無く各ブランド画期的なオリジナルボードを発表しているのです。ギアの操縦性重視の流れは当面の間続くのではないかと思います。
*参考図書 「Snow Boarder 2005 vol. 1」 実業之日本社 発行
「snowstyle」 エム・ビー・シー 製作
「SNOW boarder’s
BIBLE 2004-05」
トランスワールドスノーボーディングジャパン 発行