No.24

平成15年1212

黒沢友裕

 

大手同士の統合

統合

 11月上旬に、ソニーと独メディア大手のベルテルスマンは両社の傘下にある音楽事業部門を統合することで合意した。統合後の新会社の名前は「ソニーBMG」になる。世界市場第2位のソニー・ミュージックエンタテインメント(14%)と、第3位のBMG(11%)の統合で世界市場のシェアは25%になる。第1位のユニバーサル・ミュージック・グループ(26%)と市場独占率がほぼ同じになる。ちなみに、第4位がEMIで12%、同じくワーナーも12%、あとは独立系と呼ばれるインディーズの会社がシェアの25%を占めている。(2002年 国際レコード産業連盟調べ)

 

再編の動き

 レコード業界で再編が進むのは、世界的な音楽ソフト市場の低迷が原因となっている。IFPI(国際レコード産業連盟)の調べによると、昨年の世界の音楽ソフト市場規模は約320億ドル(約3兆5千億円)で、インターネットを使ったファイル無料交換サービスの普及や違法コピーの蔓延などもあり、3年続けて市場規模が縮小した。

 売上増が見込めないメジャーの各社は、利益確保のためにリストラをしている。米ソニー・ミュージックは2003年初めに、音楽界出身のトップであるトミー・モトーラ氏を更迭し、CDプレス工場の閉鎖や人員削減などを行った。

 

再編の目的

     事業統合による規模の拡大

     人員削減などによる合理化

     新しいアーティストの発掘・育成

     インターネットを使った新規事業に投資できるように、収益力を回復させる

 

 

 

 

参考文献

()著者名

刊年

書名

出版社

日経BP社編集部

200414日発行

日経エンタテインメント!20041月号 No.82

日経BP