平成16年9月24日
黒沢友裕
どうすればCDは売れるのか
「なぜCDが売れないのか」という原因を探るため、今までCDの購入に当てていたお金を何に使っているか、というアンケートを取ったところ、CDレンタル料金に当てている、と答えた人が多かった。つまり最近のユーザーは、CD-R、インターネット、音楽専門チャンネルなどの普及により、音楽は無料か無料同然の値段で手に入れることができるものだ、という認識になってしまっているのである。その結果が、CDの売り上げが伸びないということに繋がっているのである。
次に、どうすればCDが売れるのか、というアンケートを引き続き行った。多いと思われていたCDの値段を安くすればいいという回答は少なく、意外な結果となった。音楽は無料で手に入れるものだ、と思っている人の中にも、本当にいいものであれば高くても買う人が多くいることが分かった。
繰り返し長く聞けるいい曲がない、という気持ちから、無料のダウンロードなどに流れていってしまっているのである。しかし、全て製作者側が悪いとするのではなく、ユーザー側のいい曲を聞き分ける能力が低い、という声も聞くことができた。
他にも、短期スパンでのリリースをやめたり、バンドのアイドル化をやめたり、ユーザーが長い目でアーティストを育てるべきである、との意見も出た。レンタルに関しては、廃止してもいいと答える人もいた。
音楽を広める方法は二つある。一つは莫大な広告費をかけるもので、これはお金をかければかけるほど気長にヒットするのを待つことができない性質のものである。もう一つの方法は、インディーズの様に地道なライヴ活動と口コミで広げていくものである。こちらは必ずしも口コミが広がるとは限らないという欠点を持つ。
理想としては、長く聞けて心に響くいい曲が、口コミで広がり、さらにメディアに頻繁に取り上げられ、それが売れる、という流れだろう。その場合、コピーコントロールなどはなんの意味も持たない。
参考文献
(編)著者名 |
刊年 |
書名 |
出版社 |
落合 真司 |
2003年5月21日発行 |
音楽業界ウラわざ |
青弓社 |