地域政策専門の知力と学生力と地域連携力を活用した、東日本大震災における被災地復興のための包括支援Project

メッセージ

佐々木茂 高崎経済大学経済学部教授
 地域連携戦略室長 高崎市域復興支援委員会委員長

佐々木茂
佐々木茂

アメリカの映画に"pay it forward"(人に助けてもらったら、助けてくれた人に恩返しをするのではなく、他の困っている人を助けようとすること)というボランティア精神をよく伝えているものがあります。数年前に、群馬の山間部が大雪に見舞われ、けが人が続出して自治体も対応に困難を極めていました。その折、応援団の学生やゼミ生で雪国出身の強者を50名集め、みなかみ町に雪かきのボランティアに出かけました。学内で、関係者に一声かけただけでしたが、6時間以内に50名以上がボランティアを名乗り出てくれました。当日の経験で要領を掴んだ群馬県庁の対策本部は、県内外にボランティアを呼びかけたところ、即座に一週間の除雪ボランティアが定員をオーバーするほどでした。

どのような地域であれ、規模の大小を問わず、災害に襲われない地域など存在しませんが、災害に対して自治体や国だけで地域の問題が解決する訳ではありません。
高崎経済大学は、遠隔地にあっても、必ずや支援する手立てがあるのではないかと考えました。本学には、阪神淡路大震災を経験し、ボランティアとして多様な活動に関わった研究者、東北の自治体の様子に詳しい研究者、産業政策やビジネスの専門家、さらには、環境問題の研究者など、多種多様な分野で地域の問題に関わる教員がいます。
大学が培ってきた「知」と「経験」をつなげて、災害を乗り越えるお手伝いができればと、取り組んでいます。それが、高崎経済大学の復興支援の取り組みです。