各講義における「目標と学習要領」の作成について

 私が担当する講義のなかには、講義の各章(または各講)毎に配布されるプリント「目標と学習要領」に沿って解説が進められるものがあります。今年度からは、可能な限り担当講義のほとんどでこのプリントを作成し、配布することにしました(ただし大学院の講義は除く)。
各講義で解説したと思いますが、このプリントの利用方法を下にまとめておきますので、受講生は予習、講義時、復習等に役立ててください。


利用方法:

(予習時)
「講義の目標」における各セクションごとに、いくつかの課題(設問)が挙げられていますので、どのように解答すればよいか、教科書などを参考にしながら考えてください。
また、講義によってはいくつかのキーワードを列挙しておきますので、その意味についても調べておいてください。

(講義時)
講義は、「講義の目標」の各設問に解答する形式で進められます(場合によってはそれを中心として議論を拡張することもあります)。設問自体はすでに「目標と学習要領」に記載されていますから、それを板書することはしません。受講生が講義ノートをとる場合は例えば「§2の設問B」などとノートにメモし、板書、解説された内容をノートするようにしてください。ノートの手間を省くため、他に要点整理の資料なども可能な限り配布しますが、板書量が多い場合でも、ただ機械的にノートをとるのでなく、設問の意味を良く考えながら講義に臨んでください。

(復習時)
「講義の目標」における各設問について、あらためてどのように答えたらよいか考えてください。講義時間には限りがあります。各設問に対し、(私の未熟さも手伝って)常に十分な解説ができる訳ではありません。講義ノートだけでなく、教科書その他の資料とあわせながら、よりよい解答例を各自作成しましょう。
また、「復習の手引き・テキスト学習」といった項目で、とくに重要と思われる用語、概念、分析ツールの復習を勧めていますので、そちらも意識しながら復習してください。


 実のところ「目標と学習要領」はむしろ講義を行なうさいの私なりの「指導要領」だといえます。高校までの受験教育と違って、この分野に「100点満点の正解」はありません。むしろ重要なのは設問の妥当性であり、受講生は自分なりの正解が何か、多くの事柄に疑問をもち、批判的に考えながら知識を深めて欲しいと思います。
私もまだまだ未熟な講義しかできず、受講生に迷惑をかけてばかりいます。「目標と学習要領」についても、受講生の批判や意見を反映して今後より良いものにしていきたいと思います。