Excelによるt検定

例えば,このようなデータを分析してみましょう.これは男女100人の身長,体重のデータ(仮想)です.以下の様にExcelの表の上にデータが並んでいたとします.※データはこの後にもならんでいます.

uni-0.gif

分かりきったようですが,男女の身長の平均が異なっていることを検定してみましょう.帰無仮説,つまり直接検定する仮説はは「男女の身長の平均に差がない(ゼロ)」です.

例えば以下のように,列ごとにデータを配置し直して分析を行ないます(並べなおさなくても分析できますが).

t-test1.gif

【手順】

  1. メニューバーの「ツール(O)」
  2. 「分析ツール(D)」
  3. 「t検定」(ここでは,分散が等しくないと仮定した2 標本による検定)

の順で操作すると以下のダイアログが現れます.

  1. 下図のように比較する2つのグループのデータ範囲を設定します.
  2. 「二標本の平均の差」には「0」を入力します(両者の差はないことを帰無仮説にしているから).
  3. データの範囲指定にデータの名前を含めていれば,「ラベル」もチェックします.
  4. α(A)には棄却域の確率を入力します(標準では5%の数値が入ってます).
  5. 出力範囲を設定し,「OK」ボタンをクリックします.

t-test3.gif


Excelによるt検定(出力結果)

先の分析を実行すると以下の結果が出力されます.

t-test2.gif

検定結果を評価する際には(1)「P(T<=t)」あるいは,(2)「t」と「t 境界値」を見ます.

(1)P(T<=t)<実験者が設定する棄却域の確率帰無仮説を棄却
(2)t 境界値<「t」の絶対値 帰無仮説を棄却

  1. 仮に棄却域を1%(0.01)としたとき,片側,両側のP(T<=t)はどちらも0.01よりも小さいことが分かります.
  2. t境界値は片側,両側とありますが,どちらの数値よりも「t」の絶対値9.65はこれを上回っています.

したがって,この例では「2つのグループの平均は等しい」という帰無仮説を棄却します.よって,2つのグループの平均身長は異なるということが分かりました(あたりまえか).


Excelの関数で算出するt検定

上記のように「分析ツール」を使っても良いのですが,算出した統計量をさらに次の分析に移したいときや,マクロを書くときなどには「分析ツール」よりも関数を用いたほうが便利です.以下ではt検定についての関数を挙げておきます.

t分布に従う確率ttest(配列1,配列2,尾部,検定の種類)
t分布の値tdist(値,自由度,尾部)
t分布の逆関数の値tinv(確率,自由度)

ttest関数は検定結果として帰無仮説が棄却できる確率(P値)を算出します..
尾部は両側:2,片側:1を指定します
検定の種類は対をなすデータ:1,分散の等しい2標本:2,分散の等しくない2標本:3を指定します.

tdist関数はt分布表の代わりに用います.算式通りに計算して得られたt値を指定することで帰無仮説が棄却できる確率(P値)を求めることができます.
尾部は両側:2,片側:1を指定します
※引数の値は絶対値にしておく必要があります(関数はabs).

tinv関数もt分布表の代わりに用います.棄却域(何%の有意水準で…というときの数値)と自由度を指定することで,そのときのt値(境界値)を求めることができます.結果は両側検定の場合の数値になります(片側の場合の数値が欲しいときは引数の確率を倍にします).


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